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更新日:2020年9月19日 公開日:2017年3月3日

【マルタン・マルジェラ】謎に包まれたキャリアとスタイルに迫る

ファッション通なら知らない人はいないブランド、Maison Margiela(メゾン・マルジェラ)。デザイナーであるマルタン・マルジェラは、業界でもミステリアスな人物として知られています。本記事では、彼のプロフィールやキャリアだけでなく、ブランド哲学やデザインの特徴まで徹底解析します。

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生地裁断

ベルギーを代表するデザイナー、マルタン・マルジェラ

マルジェラ 買取 モードスケープ

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出典:http://www.nytimes.com/2008/10/02/fashion/shows/02MARGIELA.html

ベルギーで生まれ、デザインの名門で学ぶ

マルタン・マルジェラ(男性)は1957年4月9日、ベルギーのヘンクに誕生。1977年にアントワープ王立芸術学院(Academie Royale des Beaux-Arts d’Anvers / Royal Academy of Fine Arts Antwerp)のデザイン科へ入学し、デッサンを学ぶ。
1980年に卒業してミラノで活動。
デザイナーのラフ・シモンズ氏も、マルジェラに感銘を大きく受けた一人だとか。

死亡説が出るほど謎に包まれた人物

とても謎に満ちた人物として業界では有名。ブランド設立時はコレクション等に顔を出していたのですが、だんだん公の場へ顔を出すことはなくなり、彼の素顔を知る人は業界でもかなり少ないといいます。
インタビューなどもすべてFAXで行い、回答は「私は」ではなく「私たちは」といった言い回しを使い、創作活動が複数名で行われていることを強調しています。自分一人ではなく、グループワークにこだわっているマルタン・マルジェラらしい表現の仕方だといえるでしょう。
そして、1997年に撮影された自身の写真以降は新しい写真が出てこないので、重病説や死亡説が流れるほど。かなりミステリアスな人物だといわれています。
ちなみに、【ファッション・ナウ−「i-D」が選ぶ世界で最も重要なデザイナー150人】の一人にマルタン・マルジェラも選ばれているのですが、彼の人物写真はなく、空席の椅子の写真が写っています。

キャリア変遷と現在の動向

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出典:https://www.maisonmargiela.com/jp/lamaison

アシスタント時代を経てブランド立ち上げに成功

1984年、初めてパリで見たジャン=ポール・ゴルチエのショーに感銘を受け、ファッションへの興味を持ちます。その後、デザインアシスタントとして働き(~1987年まで)、のちにデザイナーとして活躍するきっかけとなります。
1988年、自身のブランド「MAISON MARTIN MARGIELA(メゾン・マルタン・マルジェラ)」を立ち上げます。
1989年、パリコレSSプレタポルテ・コレクションにデビュー。反モードを掲げ、「デストロイ・コレクション」と称され、高級志向の世の中を覆す「ポペリズム」と言われる90年代のトレンドを構築しました。

エルメスのデザイナーを兼任するも、引退説が浮上

1997~2003年にかけてHERMES(エルメス)女性ラインのデザイナーも兼任しました。
ブランド創立20周年に当たる2008年のコレクション以来、引退したとのうわさもある。正式な発表はありませんが、2002年に同ブランドを買収したDIESELの代表者の言葉によると、「2008年以降ブランドとのかかわりはなく、引退状態」ということ。
自身のブランドはジョン・ガリアーノがクリエイティブディレクターとなり、「Maison Martin Margiela」から「Maison Margiela」に変更されています。

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固定概念を覆すブランド哲学
Maison-Margiela-Spring-Summer-2016
出典:https://www.essential-homme.com/

タイトなシルエットで固定概念を覆す

それまで主流だったゆとりのあるシルエットとは逆の、タイトなシルエットのデザインを提案し、体にフィットしたデザインが流行るきっかけを作ったと言われています。また「コレクション=最新デザイン」といった今までの概念を覆し、前のデザインに手を加えたり、昔のデザインをそのまま利用したりといった試みも行いました。コレクションは、大抵大きな施設を利用するのですが、街角で一般人をモデルにコレクションを披露するなど、ユニークな発想と世界観を持つブランドとして有名になりました。

型破りな素材で洋服を作る

通常、洋服を作るうえで必要なのは布ですが、マルタン・マルジェラはその概念に捕らわれませんでした。過去には、カットしたレコードをつなぎ合わせて作ったり、スキーグローブをつなぎ合わせてジャケットを作ったり。本来ならばゴミとして捨てられていたものを再利用して、洋服を作るそして、それにタグをつけて販売するというスタイルをマルジェラは作り上げました。

ブランドの価値を問い続ける姿勢

マルジェラのブランドタグ(襟元についているタグ)は四隅を糸で軽く止めているだけで、すぐに外せるようになっています。これは、「マルジェラ」というブランドを洋服から外せるよう、あえてそのようにしているのです。「ブランドという価値を外しても、その洋服とデザインには意味があるのか」という問い掛けを、幾度となく自問し続けた、何ともマルジェラらしい発想です。

デザインの特徴は「反モード」

カレンダータグ

マルジェラの服はコンセプトによってブランドタグが異なります。コンセプトによってグループ分けされているのです。この独特なタグを通称「カレンダータグ」と言います。

0 10 – 手仕事により、フォルムをつくり直した男性のための服
1 – 女性のためのコレクション(ラベルは無地で白)
4 – 女性のためのワードローブ
3 – フレグランスのコレクション
8 – アイウェアのコレクション
10 – 男性のためのコレクション
14 – 男性のためのワードローブ
11 – 女性と男性のためのアクセサリーコレクション
12 – ファインジュエリーのコレクション
13 – オブジェ、または出版物
22 – 女性と男性のための靴のコレクション
MM6 – ♀のための服

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/

上記のコンセプト似合う数字の所に丸がされて、それがブランドタグとして襟元に付けられます。

「ダメージ加工」による、反モード

コレクションの主流であったモード系とは逆のデザインをメインとしていました。高級志向の1980年代、その年代の後半にマルジェラはわざと色あせたり、ほつれさせたり、ダメージを施したりするその時代では新しい、「貧困者風」のデザインを発表し、90年代の新しい流れを作り上げたのです。

ブランドの象徴的な3つのアイテム

エルボーパッチ

出典:https://www.maisonmargiela.com/jp/maison-margiela/

ニットの肘部分に肘当てがついているデザイン。定番商品で、メンズ・レディースともに人気のある商品です。ラウンド、Vネック、カーディガンなどがあり、マルジェラ初心者でも取り入れやすいアイテムです。

ジャーマントレーナー

出典:https://www.maisonmargiela.com/jp/maison-margiela/

こちらは定番アイテムで、毎シーズン少しずつデザインを変えながら出しているラインです。デザインのもととなったのは、1970年~1980年代の旧西ドイツ軍にてトレーニングシューズとして正式に採用されていたスニーカーだそう。それを忠実に再現して作られているものなのです。使っている素材は、その時の流行に合わせて変えているのがポイントです。

エイズTシャツ

出典:http://fashionpost.jp/fashion/fashion-news-event/21445

売り上げの一部を、HIV ウィルスとエイズの撲滅および患者へのサポートのために設立された、フランスの機関‘AIDES’に寄付するこ目的で作られたTシャツです。大好きなブランドのTシャツを買って、なおかつチャリティーに参加できるとあって、かなり人気の商品。通常のアイテムよりも安価で購入できるところも人気の理由の一つ。一目でマルジェラと分かるアイテムです。

まとめ

ファッション業界へ変革をもたらしたマルタン・マルジェラ。彼の思いを引き継ぎながら、新たな風を取り込んだ新生マルジェラは、今後も注目されること間違いなしです。

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