HARUNOBUMURATAとは|静けさと美しさをまとう現代のエレガンス
HARUNOBUMURATA(ハルノブムラタ)は、国内外の感度の高いファッショニスタたちから注目を集めているブランドです。無駄を削ぎ落とした佇まいと洗練されたシルエットが魅力で、現代のモードシーンに独自の存在感を放っています。この記事では、HARUNOBUMURATAのブランドとしての魅力や背景、人気のアイテム、そして中古市場における価値について詳しくご紹介します。
HARUNOBUMURATAとは
HARUNOBUMURATAは、ミニマルな美しさと上質な素材がポイントのブランドです。ハイエンドな女性たちから支持を集め、幅広い層から注目を集めています。
ここでは、そのブランドがどのようにして生まれ、どんな価値観を持ち、どのような魅力を放っているのかを紐解いていきます。
ブランド概要
ハルノブムラタ(HARUNOBUMURATA)は、デザイナー村田晴信氏によって2018年に設立された日本発のラグジュアリーファッションブランドです。ブランドの核となるコンセプトは「Luxury of Silence(ラグジュアリー・オブ・サイレンス)」。装飾を抑えた静けさの中に、素材の美しさや仕立ての確かさが際立つスタイルを追求しています。
村田氏は東京出身で、エスモード東京校在学中から数々のコンテストで注目され、卒業後はイタリア・ミラノへ渡ります。若干23歳でミラノファッションウィークにデビューを果たし、ジョンリッチモンドやジルサンダーで経験を積んだのち、帰国して自身のブランドを立ち上げました。
HARUNOBUMURATAの服作りは、日本とイタリアの上質な素材を駆使し、立体的なパターン技術によって女性の自然な所作を美しく際立たせる点に特徴があります。ニュートラルな色彩を基調としたミニマルなデザインは、着る人自身の存在感を引き出し、静かに印象を残します。
2024年には毎日ファッション大賞・新人賞を受賞し、2025年には新ブランド「ARNO(アルノ)」も発表。今後の展開にも注目が集まるブランドです。
どんな人が愛用しているか?
HARUNOBUMURATAは、30代から40代の女性たちを中心に、幅広い年齢層に支持されています。また、20代のファッション感度の高い女性たちにも支持されており、SNSなどでの投稿を通じてブランドの魅力が拡大中。
村田氏は、“自分の芯がしっかりあり、自身の価値観を信じて良いものを見極められる大人の女性に認めていただけて、良いと言ってもらえていることが本当に心強いです。”とインタビューでも語っています。
HARUNOBUMURATAのアイテムは、ニュートラルな色彩を基調とし、イタリアと日本の上質な素材を使用したミニマルなデザインが特徴。そのため、上質で洗練されたファッションを求める女性たちから人気を集めているのです。
デザイナー村田晴信
出典 sitateru.com
HARUNOBUMURATAの静かで力強い美学の根底には、村田晴信の豊かな感性と国際的な経験があります。和の精神とヨーロッパで培った洗練された技術を融合させ、唯一無二の世界観を築き上げてきた彼の歩みをたどることで、ブランドの本質がより深く見えてきます。
それでは、村田氏のこれまでの軌跡と人物像に迫っていきましょう。
経歴と人物
村田氏は、東京出身のファッションデザイナーです。幼い頃、和服をよく着ていた祖母の影響で、服に興味を持ち始めました。高校時代には、古着のリメイクを独学で学び、将来は世界で通用するブランドを作りたいと考えるようになりました。
高校卒業後、ファッション専門学校のエスモード東京校に進学し、在学中に神戸ファッションコンテストで特選を受賞。その後、イタリア・ミラノのマランゴーニ学院に留学しました。在学中には、フランスのディナール国際モードフェスティバルでパリ市長賞を受賞し、パリのギャラリーで作品を展示するなど、国際的に注目を集めました。
2012年、イタリアファッション協会主催のコンペティション「ネクストジェネレーション」でアジア人として初めて受賞し、ミラノファッションウィークでデビューコレクションを発表しました。その後、Jhon Richmond(ジョンリッチモンド)やJIL SANDER(ジルサンダー)でデザイナーとして経験を積みました。
2018年に帰国し、自身のブランド「HARUNOBUMURATA」を立ち上げました。このブランドは、日本とイタリアの上質な素材を使い、シンプルで洗練されたデザインを特徴としています。村田氏は、服を通じて着る人の自然な所作や美しさを引き出すことを大切にしており、その静かな魅力が多くの人々に支持されています。
同氏によって新たに立ち上げられたブランド:ARNO(アルノ)
出典 apparel-web.com
2025年4月、村田氏が新たに立ち上げたブランド「ARNO(アルノ)」は、村田氏の既存ブランドHARUNOBUMURATAの美意識を受け継ぎつつ、より日常に寄り添ったエッセンシャルなウェアを提案するラインとしてスタートしました。
ブランド名「ARNO」は、イタリアのアルノ川と「HARUNOBU」から「H」を取った「ARUNO」の2つに由来し、「流れる川に身を任せるように身軽に旅をする服」という意味が込められています 。デビューコレクションでは、季節やシーンを問わずに着用できるタイムレスなアイテムとして「白いシャツ」に焦点を当て、シルエットの異なる8型を展開しました。各シャツには「ミラノ」「ストックホルム」「リスボン」など世界の都市名が付けられています 。
ARNOのアイテムは、公式オンラインストアを中心に販売されており、今後はポップアップイベントなども予定されています。
ARNOは、日常生活やアクティブな移動のシーンに寄り添うワードローブを提案し、ドレスアイテムが多いHARUNOBUMURATAではカバーしきれなかった領域を補完するブランドとして位置づけられています 。
デザインの特徴
HARUNOBUMURATAの魅力を語るうえで欠かせないのが、その唯一無二のデザイン哲学です。装飾を排しながらも、圧倒的な存在感を放つ佇まい。構築的なシルエットと緻密なパターン設計。そして、素材への深いこだわりと着る人の美しさを引き出す視点。
ここでは、HARUNOBUMURATAのデザインがどのようにして“静けさのラグジュアリー”を体現しているのか、その特徴を詳しく紐解いていきます。
静けさを纏う佇まい
HARUNOBUMURATAのデザインは、視覚的な主張を抑えつつも、圧倒的な存在感を放つ独自の美学を体現しています。このスタイルは、村田氏がJIL SANDER(ジルサンダー)での経験を通じて培った感性に深く根ざしています。
JIL SANDER在籍時、村田氏はルーシー&ルーク・メイヤー夫妻のもとで、ミニマルな美しさの本質を探求することを学びました。特に、布の流れや肌の見え方、陰影、角度など、動きの中で生まれる一瞬の「美しい」を切り取る感性を磨きました。この経験は、HARUNOBUMURATAのドレーピング技術や立体的な仕立てに反映され、着る人の所作や佇まいに自然と寄り添うデザインへと昇華されています。
また、村田氏は理詰めで考えるロジカルなアプローチと、感情のままにクリエイションする感性のバランスを重視しています。その結果、HARUNOBUMURATAの服は、シンプルでありながらも深い感情や物語性を内包し、着る人に静かな自信と豊かさをもたらします。
建築的で構築的なシルエット
「建築的で構築的なシルエット」も大きな特徴です。直線と曲線のバランスを巧みに取り入れ、身体のラインを美しく引き立てる立体的な仕立てによって実現されています。
村田氏は、布の流れや動きを研究し、その一瞬の「美しい」を切り取ることに注力しています。形を作るための仕様を考え、それにふさわしい素材を選ぶことで、構造自体はシンプルでありながら、洗練されたデザインを生み出しています。パーツ数が多ければ良いというわけではなく、できる限り布をカットせずに完成させることで、素材の持つ自然な美しさを最大限に引き出しています。
また、姿勢がきれいに見えるよう計算されたシルエットは、着る人の佇まいを美しく演出。このようなデザイン哲学は、村田氏がJIL SANDERの経験を通じて培ったものであり、理詰めで考えるロジカルなアプローチと、感情のままにクリエイションする感性のバランスを重視して作られているのです。
素材選びへの徹底したこだわり
ブランドの核ともなる素材選びにも、徹底的にこだわっているHARUNOBUMURATA。2012年の初コレクションでは、イタリアの老舗織物企業であるタロニー社のシルクや高級テキスタイルメーカーのエルメネジルド ゼニア社のカシミヤを使用。村田氏は、イタリアと日本での経験を通じて、上質な素材が持つ力を深く理解し、それを最大限に活かす服作りを追求しています。
使用される素材は、ウール、シルク、コットンなどの天然繊維が中心で、特にイタリア製のファブリックや日本の伝統的な素材が多く取り入れられています。これらの素材は、ただ高級であるというだけでなく、着る人の心地よさや動きに沿ってふるまいを美しく見せます。
例えば、コットンとシルクを組み合わせたシャツジャケットは、軽やかさとハリ感を兼ね備え、着用時に美しいシルエットを生み出します。また、ウールとシルクをブレンドしたパンツは、滑らかな肌触りと適度な光沢感が特徴で、シンプルながらも上品な印象を与えます。
村田氏は、素材選びにおいて、単に見た目の美しさや高級感だけでなく、素材が持つ背景や生産者の思いにも注目しています。そのため、素材の選定には時間をかけ、信頼できる生産者との関係を築きながら、服作りを進めています。
理想の女性像からのインスピレーション
服作りの根底にあるのは、「どんな女性が、どのように振る舞うか」という想像力に満ちた視点です。村田氏は、単に美しい服をデザインするのではなく、着ることでその人の所作や佇まいが自然と美しくなるようなアイテムを生み出しています。
インスピレーションの源は、実在する女性たちの静かで芯のある姿。JIL SANDER時代に見た生産部門の女性たちの凛とした立ち居振る舞いや、映画「紅の豚」のマダム・ジーナのように、自信と気品を兼ね備えた存在をイメージ。
村田氏は、「着た時の女性の姿をデザインするように心がけている」と語ります。その視点は、袖口をまくる所作に合わせて裏地を仕立てるディテールや、ポケットに手を差し込む動作の美しさを引き出すトレンチコートなど、細部の設計にも色濃く反映されています。村田氏にとってのデザインとは、感情の揺らぎや人の気配を繊細にすくい取ること。だからこそ、HARUNOBUMURATAの服には、誰かの内面にそっと寄り添うような温もりと、確かな強さが同居しているのです。
人気アイテム紹介
HARUNOBUMURATAの世界観を語るうえで、欠かせないのがその洗練されたアイテムの数々です。シンプルでありながら、着る人の動きや佇まいに寄り添う計算されたデザインは、日常にそっと溶け込みながらも、確かな存在感を放ちます。
ここでは、ブランドの哲学が凝縮された人気アイテムを通して、その魅力に迫っていきましょう。
INES
出典 fashion-press.net
INES(イネス)は品格のあるロングドレスです。一目で素材の良さがわかる、上質なウール90%とシルク10%の混紡生地を使用。
ウエストを程よく絞ったフィット&フレアのシルエットが特徴で、着用するだけで自然なスタイルアップ効果が期待できます。ブラトップとドレスがセパレートになっており、着用時のフィット感やシルエットの美しさが際立ちます。
また、デコルテやウエスト、スカート部分のタフタ素材が計算された美しいラインを描き、動きに合わせて優雅に揺れるのがポイント。特別なシーンやフォーマルな場にふさわしい一着ですが、薄手のインナーを着ることで日常の装いにも取り入れることができます。
GWEN
出典 fashion-press.net
GWEN(グウェン)は、HARUNOBUMURATAらしい繊細さと機能性を兼ね備えたオーバーサイズシャツ。ライトウェイトウールを用いた軽やかな仕立てで、季節を問わずに活躍する万能アイテムです。
特徴的なのは、そのゆとりあるオーバーサイズシルエット。肩の落ち感や緩やかなラインが、着る人に自然なリラックス感を与えながらも、きちんとした佇まいを保ちます。上質なウール素材は驚くほど軽く、柔らかな風合いと優れた通気性を兼ね備えており、快適な着心地を実現。日常に取り入れやすく、それでいて上品さを損なわないバランスが魅力です。
デザイン面では、ミニマルなディテールが生地の質感やシルエットの美しさを引き立てています。前を開けて羽織として着用すればラフな印象に、ボタンを留めて着れば端正なスタイルにと、シーンに合わせた多様な着こなしが可能です。
GWENは、一枚で洗練された存在感を放ち、日常から特別な場まで幅広く活躍する、HARUNOBUMURATAの哲学を象徴するシャツといえるでしょう。
KAILEY OVERSIZED WOOL COAT
KAILEY OVERSIZED WOOL COAT(ケイリー オーバーサイズド ウールコート)は、HARUNOBUMURATAのアウターウェアを代表するアイテムのひとつ。上質なウール素材を贅沢に用いたコートは、羽織るだけで存在感を放ちながらも、日常に自然と馴染む絶妙なデザインバランスを備えています。
特徴的なのは、そのゆとりあるオーバーサイズシルエット。身体を包み込むようなボリューム感がありながら、縦に落ちるラインを強調することで、重たさを感じさせず洗練された印象を演出します。柔らかくしなやかなウールは、軽やかで着心地がよく、冬場のスタイルに上質な温もりを与えてくれます。
襟元は端正なテーラードカラーで、シンプルな中にもクラシカルな雰囲気を漂わせるディテールがポイント。ボタンやポケットの配置も無駄をそぎ落としたミニマルな設計で、生地そのものの質感やシルエットの美しさを際立たせています。
KAILEYは、カジュアルなスタイリングに羽織ってリラックス感を出すのはもちろん、ドレスやパンプスと合わせてエレガントに着こなすことも可能。シーンやコーディネートを選ばず、タイムレスに愛用できる一着です。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございました。
ジル・サンダーで培ったミニマルな美意識と、日本独自の繊細な感性が融合したHARUNOBUMURATA。女性のふるまいからデザインを行い、上質な素材を使ったアイテムは着るだけでスッと整うような洗練された雰囲気を纏っています。世界に通用する日本発のラグジュアリーブランドとして、さらなる活躍が期待されています。
モードスケープでは、HARUNOBUMURATAの買取を強化中です。アイテムの価値を適正に反映し、最高額を見出す査定をいたします。お手持ちのHARUNOBUMURATAを売却するかお悩みの方も、ぜひ一度ご相談ください。LINE査定を利用して、気軽にお見積もりいただくことも可能です。
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この記事を書いた人

MODESCAPE
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