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若き天才、アレキサンダー・ワンについて

2018年8月25日

ファッション界のホープ

ファッションの世界には、非常に若いうちに実力を認められ、業界の期待を一身に背負うことになるデザイナーが度々現れる。

プレタポルテ創成期のユーベル・ド・ジバンシィやイヴ・サンローラン、2000年代初頭に頭角を現したエディ・スリマンなどがそれに当たるだろう。

ファッションの専門教育を受けていないデザイナーが脚光を浴びている昨今だが、正統的な教育を受けた“神童”候補生たちだって負けずにしのぎを削っている。

その筆頭といえるのが、アレキサンダー・ワンだ。

20代にして世界的に認められた才能

アレキサンダー・ワンは、自身の名を冠したブランド、アレキサンダーワン(ALEXANDER WANG)のデザイナー。

ニューヨークコレクションを主戦場に洗練されたクールなスタイルを提案し、本人のスラッとした佇まいもあってニューヨーク出身のイメージがあるが、カリフォルニア出身。18歳のときにニューヨークのパーソンズ美術大に入学して、本格的にファッションの勉強を始める。ただ、幼い頃からファッションに夢中で、ファッション誌を読み漁り、15歳のときには兄嫁のために35着のドレスを制作したというほど彼とファッションは不可分な関係だ。

若くして評価を得るだけあって、在学中にはキャリアを積み始めていた。マークジェイコブス(MARC JACOBS)やファッション誌のヴォーグといった企業でインターンを経験し、卒業目前にパーソンズを中退。すぐに自身のブランド、アレキサンダーワン(ALEXANDER WANG)をスタートさせた。
最初に義姉とともに制作したニットのコレクションを、バーニーズニューヨークが買い付けたために一気に知名度を高めた。

2007年、24歳にしてニューヨークコレクションにデビューを果たすと、2008年にはCFDA/VOGUEファッションファンドでグランプリに選出される。
また翌年には、自身のコレクションの世界観が称賛され、ギャップ・デザインエディションプロジェクトに参加してコラボコレクションを発表。同年、スイス・スワロフスキーアワード、スイス・テキスタイルアワードなど数々の賞を総なめにした。

そうした輝かしい経歴の中でもことさら業界を驚かせたのが、バレンシアガ(BALENCIAGA)のクリエイティブディレクター就任だろう。弱冠29歳の若いアメリカ人が、ヨーロッパトップクラスのメゾンディレクターになることは、驚きを持って受け止められた。

 

ブランドのストロングポイント

アレキサンダーワン(ALEXANDER WANG)は、スタートからおよそ10年。たった10年間で、シーンのトレンドは目まぐるしく変化している。

デビューしたばかりの2007年は、エディ・スリマンのディオールオムが作り上げたトレンドの残り香が濃く、ミニマルなシルエットにシックかつエッジィなアイテムづくりがもてはやされた。そして、シンプルで装飾性を廃したノームコアが短い間主流になった後、今はストリートウェアが一大トレンドになっていて、どこでもスタイルを示すことのできるリラックスやポーツと言ったイメージの洋服が隆盛だ。

そんなトレンドの変遷がありながらも、アレキサンダーワン(ALEXANDER WANG)は人気ブランドであり続けている。

なぜ、ワンは時代やトレンドに左右されないリアルクローズを生み出し続けるできるのか。

あるインタビューで彼は、誰もが着飾ってグラマラスになれるが、自分の興味はより日常的な洋服だという意味のことを言った。彼がコレクションで表現するのは、日常のふとした瞬間に浮かび上がる人々の真の姿なのだ。

アレキサンダーワン(ALEXANDER WANG)を象徴するカラーといえばブラックだが、アレキサンダーワン(ALEXANDER WANG)のブラックを基調にしたシンプルでモダンなウェアの数々は、ブラックというカラーの匿名性に反して、人々の個性を支える魅力を持つ。

ワン本人はいつも自分のランウェイの最後、黒か白のTシャツとスキニーシルエットのジーンズで現れるが、そうしたラフなスタイルが彼本人の真の姿であり、彼のクリエイションの本質が表出している。

アレキサンダーワン(ALEXANDER WANG)は、ストリートカジュアルをモードに変換したようなスタイルだが、現在もてはやされている、信奉するカルチャーを示したり所属する(/所属したい)集団のアイコンをアピールするストリートカジュアルとは違う、もっと、生活の本質に迫るシンプルなカジュアルスタイルだ。

時代の変遷に無関係でいられるスタイルを生み出したアレキサンダーワン(ALEXANDER WANG)は、今後もトレンドの波に飲まれることなく続いていくだろう。

 

これから

今のトレンドであるストリートウェアだが、ワンの表現する日常着とは少し違う部分もある。

アディダスとのコラボレーションでは、より今のトレンドに近いクリエイションを実践して入るものの、彼の本丸であるアレキサンダーワン(ALEXANDER WANG)はより、シンプルで日常的だ。

彼自身がインタビューで語るように、今のファッション業界はエディターやバイヤー以上に、もっと大きなオーディエンスを意識する必要がある。その証拠に、これまでファッション業界を牽引してきたビッグメゾンの殆どが、従来的なラグジュアリーファッションと決別し、ストリートウェアを作っている。SNSを使いこなす大衆側が、メゾンにルールを突きつける構図だ。

アレキサンダー・ワンは、10年も前に業界の中心地に足を踏み入れていたため、今回のストリートブームとは関係ないように感じるが、よくよく考えればまだ34歳の彼はミレニアル世代。このトレンドを作り出した世代の年長者だ。
彼本人が日常的と考えているウェアは、ミレニアル世代の日常とリンクしていて、例えばアディダスとのコラボレーションで制作したコレクションは、仕事場ではワークウェアとして、そしてクラブではスタイルを示すドレスとして映える、つまり仕事場と遊び場を分けないボーダレスなウェアになっている。

こうした、コレクションに反映されたクロスオーバーな合理性は、前の世代が作ってきたTPOやマナーとは対照的な、若い世代特有の感覚かもしれない。

 

今の世代を代弁する価値観を、アレキサンダーワン(ALEXNDER WANG)に示し続けてほしいと思う。

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MODESCAPE

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