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メリル・ロッゲ:マルニの新時代を築くデザイナーの人物像とキャリア

2025年7月30日

メリル・ロッゲ

メリル・ロッゲ:マルニの新時代を築くデザイナーの人物像とキャリア

イタリアを代表するブランド「マルニ(Marni)」は、フランチェスコ・リッソの後任として、新クリエイティブディレクターにベルギー人デザイナー、メリル・ロッゲを抜擢しました。

アントワープ王立芸術アカデミーを卒業後、マーク・ジェイコブス、そしてドリス・ヴァン・ノッテンという巨匠のもとで実力を磨き、2020年には自身のブランドを設立。瞬く間にLVMHプライズやANDAMグランプリを受賞するなど、現代ファッションシーンで最も注目される才能の一人です。

この記事では、メリル・ロッゲの人物像とキャリア、デザイン哲学を深く掘り下げ、新生マルニへの期待とともにその魅力に迫ります。

メリル・ロッゲの人物像と経歴

メリルロッゲ
出典 weekend.levif.be/jp

法学からファッションへの転身、世界的メゾンでの修行、そして自身のブランド設立を経てマルニのクリエイティブディレクターに就任するまで。メリル・ロッゲのキャリアは、常に新たな挑戦を恐れない姿勢に貫かれています。アントワープ王立芸術アカデミーで基礎を学び、マーク・ジェイコブスとドリス・ヴァン・ノッテンという名門メゾンで経験を積んだ彼女の歩みを詳しく見ていきましょう。

デザイナーとしてのルーツ:アントワープ王立芸術アカデミー時代

メリル・ロッゲは、ベルギーのヘントに生まれました。ロッゲ氏は、アントワープ王立芸術アカデミーに入学する前は法学を学んでおり、学士号を取得しています。後に、「法の世界では、長い複雑な書類を読み込み、何も見落とさず進めることが不可欠。そんな勉強をしたことは、多くの要素が絡み合うファッション・ビジネスにおいて役に立っているかもしれない」と語っています。

ロッゲ氏がアントワープ王立芸術アカデミーへの入学したのは2005年。この選択が、彼女のキャリアを決定づけることになりました。

アントワープ王立芸術アカデミーは、世界でも屈指のファッション教育機関として知られています。1980年代に「アントワープの6人」と呼ばれたベルギー系デザイナーたちを輩出し、その中にはマルタン・マルジェラやドリス・ヴァン・ノッテンといった世界的な才能が含まれていました。ロッゲ氏はこの名門校で、ファッションデザインの基礎から応用まで、徹底的な教育を受けることになります。

アカデミーでの3年間は、ロッゲ氏にとって創造性を開花させる重要な期間でした。ベルギーの多様な文化的影響によって既成概念にとらわれない表現手法を身につけていきます。2008年の卒業時には、すでに彼女の中に独自のデザイン感性が芽生えていました。

世界的メゾンでの経験:マーク・ジェイコブスとドリス・ヴァン・ノッテン

アカデミー卒業後、ロッゲ氏はニューヨークへと旅立ち、世界的メゾン「マーク・ジェイコブス」でキャリアをスタート。マーク・ジェイコブスでの7年間は、ロッゲ氏のデザイナーとしての基盤を築く決定的な期間となりました。ウィメンズ部門のデザイナーとして、アメリカンファッションの最前線を経験。マーク・ジェイコブス氏が持つ革新的なアプローチと、伝統的なクラフトマンシップを融合させる手法を間近で学びました。

この期間中、ロッゲ氏はカジュアルウェアからイブニングウェアまで、幅広いアイテムのデザインに携わり、アメリカ市場の求める「実用性とファッション性の両立」という感覚を体得していきます。

2014年、ロッゲ氏は故郷ベルギーへの帰国を決意します。そして、ロッゲ氏の次なるステージとなったのが、ドリス・ヴァン・ノッテンでした。ドリス・ヴァン・ノッテンは、アントワープ出身の巨匠として知られ、美しいプリントと優雅なシルエットで世界中から愛されるブランドです。ロッゲ氏はここでウィメンズ・チーフデザイナーという重要なポジションに就任。4年間にわたって、ブランドのコレクション制作を統括することになります。

ドリス・ヴァン・ノッテンでの経験は、ロッゲ氏のデザイナーとしての完成度を一段階押し上げました。プリント開発からシルエット構築まで、メゾンレベルの品質を実現するための全工程を熟知。さらに、ビューティーラインの開発とコンセプト設計にも携わり、トータルブランディングの視点も身につけました。

そして2020年3月、ロッゲ氏は自身の名を冠したブランド「メリル ロッゲ(Meryll Rogge)」でデビューを果たすやいなや瞬く間にファッション業界人の注目を集め、2024年に女性として初めてデザイナー・オブ・ザ・イヤーを受賞。さらに2025年のANDAMファッションアワードではグランプリを受賞した実力派デザイナーとして、その才能を開花させていきます。

2025年 マルニ クリエイティブディレクター就任

2025年7月15日、メリル・ロッゲのキャリアにとって最大の転機が訪れます。マルニの新クリエイティブディレクターへの就任発表です。この人事は、ファッション業界に大きな驚きをもって迎えられました。フランチェスコ・リッソの後任候補として、エレン・ホダコヴァ・ラーソンと並んで名前が挙がっていたものの、自身のブランドを立ち上げてわずか5年というキャリアでの大抜擢だったからです。

OTBグループ会長のレンツォ・ロッソ氏は、ロッゲ氏の起用理由について次のように語っています。「私たちは多くの優秀な候補者と面会し、マルニが世界中のクリエイターにインスピレーションを与え、魅了し続けていることを実感しました。ロッゲ氏は、ブランドのDNAを再解釈する繊細な感覚で、アクセサリー、インテリアデザイン、コミュニケーション、そして特別なプロジェクトなど、マルニのあらゆる側面をグローバルに包括する現代的なビジョンを提示し、私たちに強い印象を与えました」。

一方、ロッゲ氏自身も就任への意気込みを表明しています。「マルニという、独自のスピリットを持つメゾンに加わることができ、大変光栄に思います。歴代のクリエイティブ・ディレクターたちによって築かれてきた役割を引き継ぐことは、身の引き締まる思いであり、同時に大きな刺激でもあります」。新生マルニの今後に期待が高まります。

デザインの特徴

「上品な下品」「意図的なカオス」とも評されるメリル・ロッゲのデザインには、一貫した哲学が流れています。ヴィンテージへの敬意と現代的な再解釈、クラシックなテーラリング技術と流動的なシルエットの融合、そして誰も予想しない大胆な色彩感覚。これらの要素が絶妙に組み合わさっているメリル・ロッゲのデザインの特徴を詳しく見ていきましょう。

ヴィンテージとコンテンポラリーの融合

メリル・ロッゲのデザインの核心にあるのは、過去への深いリスペクトと、それを現代的に再解釈する独自のアプローチです。ロッゲ氏は「長持ちするクォリティ、飽きのこないシルエットで、クラシックをコンテンポラリーに仕上げること」を大切にしており、その手法は実に多彩です。

そんなロッゲ氏のシグネチャーは、さまざまな解体・再構築のプロセスを経て作られる「デコンストラクティッド・シャツ」です。「ヴィンテージのシャツを分解して組み直すこともあれば、一枚の布から作り上げるケースも。またはフォトショップで作った画像を基にパターンを組み立てたりもする。」と、時代に合わせてデザインを進化させると語っています。とにかく「ルールがないのがルール」がメリル・ロッゲ流です。

このアプローチは、ロッゲ氏が1960年代以降のカラー写真から得るインスピレーションに基づいています。「一つのことには固執しません。インスピレーションは見聞きするあらゆるものの蓄積」と語る彼女は、写真の細部にまで着目。2025年秋冬コレクションでは、ナン・ゴールディンの写真で被写体が座っていたソファの柄からペイズリープリントを展開するなど、独特の発想力を見せています。

ロッゲ氏にとってヴィンテージとの向き合い方は「古きよき産物の進行形を思い描くエクササイズ」。素材やシェイプをわずかに変えることで、まったく新しいアイテムが誕生します。タキシードパンツをひねることで生まれた新しいタイプのスカートなど、従来の枠にとらわれない自由な発想がロッゲ氏の真骨頂です。

緻密なテーラリング

メリル・ロッゲのもう一つの特徴は、「メンズライクな構築と流動的シルエットのバランス」を追求した緻密なテーラリングです。ロッゲ氏の服には、クラシックなメンズウェアの構築性と、女性らしい流動的なシルエットが絶妙に調和しています。

この技術は、マーク・ジェイコブスやドリス・ヴァン・ノッテンで培った経験が基盤となっています。特にドリス・ヴァン・ノッテンでの4年間は、ヨーロッパ伝統のテーラリング技術を深く学ぶ機会となりました。ロッゲ氏はこの期間中、メンズウェアの構築的なアプローチを女性服に応用する手法を徹底的に研究しています。

ロッゲ氏のテーラリングで特に注目すべきは、オーバーサイズのアプローチです。肩先が大きくドロップしたショルダーラインや、極端に幅広に設定された身頃など、従来のフィット感を意図的に崩すことで新しい美しさを創出。これは単なるルーズフィットではなく、計算し尽くされたプロポーションによって成り立っています。

また、レイヤードの手法もロッゲ氏のテーラリングの重要な要素です。厚手のカーディガンを2着重ね着させるような「こってりとした重ね着」や、レザージャケットにガーリーなショーツを合わせるような異質な要素の混在を、高度な技術で自然に見せる能力は圧巻といえるでしょう。

大胆なカラーパレット

メリル・ロッゲのデザインを語る上で欠かせないのが、独特の色彩感覚です。「キッチュでサイケな色使い」と評されるロッゲ氏のカラーパレットは、従来のファッションの常識を覆す大胆さと、それでいて洗練された美しさを併せ持っています。

2022年春夏コレクションでは、「チープに感じさせる柄のデザイン」をスポーティ&カジュアルのスタイルで提案し、2023年春夏では赤地に白文字のプリントで「シュプリーム」を彷彿とさせるストリート感あふれるコレクションを発表しました。一見すると派手で挑発的にも見えるこれらの色使いは、実は高度な計算に基づいています。

ロッゲ氏のカラー戦略の核心は、「美しいものに驚きを感じること」への探求です。誰もが美しいと認める色彩ではなく、「自分だけが美しいと感じる色」を大切にし、それを服を通じて他者とシェアしたいという想いが込められています。

最新の2025年秋冬コレクションでは、トラッドをベースにした上品なカジュアルを提案しながらも、蛍光イエローを配色したスポーティなパンツや、燻んだパープルのカーディガンなど、意外性のある色彩を効果的に配置。クラシックな基調の中に鮮烈なアクセントを加えることで、「上品な下品」というロッゲ氏ならではの世界観を表現しています。

自身の名を冠したブランド「Meryll Rogge」

MERYLLROGGE
出典 fashion-press.net

2020年のコロナ禍という困難な状況下でデビューしたメリル・ロッゲの自身のブランドは、瞬く間にファッション業界の注目を集めました。自由なクリエーション、1型1色という独特な展開方法、そして高い消化率を誇る商業的成功。ここでは、ブランド「メリルロッゲ」について詳しく見ていきます。

概要

2020年3月、メリル・ロッゲは自身の名を冠したブランド「メリルロッゲ」でデビューを果たしました。折しもコロナ禍の最中という困難な状況下でのスタートでしたが、瞬く間にファッション業界の注目を集めることになります。

ブランドのコンセプトは、「女性らしさの強く大胆なアイデア」を軸に、フリースピリットを持つ女性に向けたメッセージの発信です。フェミニンな装飾の華やかさとメンズライクな要素を兼ね備え、両義的なスタイルの確立を目指しています。ロッゲ氏が掲げる理念は明確で、「品質に対する信念、シルエットと素材の両立」をブランドアイデンティティの核としています。

ブランドの拠点となったのは、ゲントから約17キロ離れた田舎にある農家の納屋を改築した一軒家。「ブティックのショーウィンドウやストリートスタイル、イベントへのインビテーションといった、注意を散漫にする要素から距離を置いて、クリエーションに集中できる環境」と語る通り、この静かな環境が彼女の独創的なデザインの源泉となっています。

特徴

「メリル ロッゲ」というブランドの最も特徴的な点は、その自由で多種多様なアプローチです。ロッゲ氏自身が「ルールがないのがルール」と表現するように、固定的な美学や様式にとらわれることなく、シーズンごとに新しい表現を模索し続けています。

ブランドの代表的なアイテムを見ると、この多様性が如実に表れています。メンズシャツやジーンズは解体・再構築され、素朴なニットはファンシーなレースで飾られ、平凡なジャケットやコートは無数のポケットでユーティリティ・ウェアに変化。襟やフリルは大げさなボリュームで仕上げられ、マフラーは床につくほどの長さに設定されています。

また、ブランドの特徴として注目すべきは「1型1色のみの展開」という方針です。一般的なブランドが1つのアイテムに対して複数色を用意するのに対し、ロッゲ氏は基本的に1色のみでの展開を行います。この手法について、日本の販売パートナーであるヴィジットフォーのディレクター西脇智子氏は「誰かのクローゼットを覗き見ているかのよう」と評価しています。

このユニークなアプローチが功を奏し、ブランドは高い支持を集めています。ヴィジットフォーでは幅広いジャンルのアイテムが好調な売れ行きを見せており、男性からの反響も多く、アクセサリーやキャップなどの小物アイテムを中心に人気を博しています。

スタイリング面では、「素材や品質に対するこだわりやシルエットの追求はすべての人を満足させる」と評価され、きらびやかなイブニングドレスやクラフト感のあるニット、ワークウェアなど、あらゆるファッションディテールを創造的に組み合わせる手法が高く評価されています。

まとめ

最後までご覧いただきありがとうございます。

メリル・ロッゲは、世界的メゾンで経験を積み、自身のブランドで独創的な美学を確立し、数々の話題作を世に送り出してきました。そして2025年、ロッゲ氏は新たな挑戦の場としてマルニへと舞台を移します。構築的なシルエットとボリューム使いが特徴のマルニにおいて、自身のブランドで培った「上品な下品」や「意図的なカオス」という感性をどう再解釈するか、世界中から大きな期待が寄せられています。

モードスケープでは、メリル ロッゲやマルニ のアイテムをはじめ、買取を強化中です。独創的なデザインが魅力のメリル ロッゲ「デコンストラクティッド・シャツ」などの人気アイテムは高価買取の対象となっております。もしお手元のアイテムの査定をご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

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