あのシューズをオマージュ？職人の技術が凝縮された「Hender Scheme」の革靴
革靴をはじめ財布やバックなど様々な皮革製品がありますが、経年変化を楽しみながら長く愛用したいですよね。そんな皮革製品の匠が集うレザーブランド「Hender Scheme」を皆さんはご存知でしょうか？
上記のような皮革製品をはじめ、こんなものまで？と思わせてくれるようなインテリア雑貨、そして有名ブランドとのコラボアイテムなどの皮革製品を展開しています。そんなHender Schemeには、皆さんも一度は目にしたことがあるスニーカーをオマージュしたラインが存在します。このラインが生まれたきっかけとは？
この記事では、Hender Schemeというブランド背景や魅力に触れながら、オマージュコレクションについて迫っていきます。
目次
Hender Schemeとは？
Hender Schemeは、レザーを中心に使用し、素材の持つ独特の経年変化を愉しむことができるアイテムが特徴です。その中でもオマージュライン「manual industrial products」は、大量生産のスニーカーをハンドメイドの革靴へと昇華させる試みが評価され、ブランドの代表作ともなっています。
ここでは、Hender Schemeのブランドの特徴やコンセプトについて見ていきましょう。
浅草発のレザーブランド
独自の世界観を放つ、レザーブランドHender Schemeは2010年に設立されました。古き良き伝統と新しい息吹が交錯する浅草エリアにアトリエを構えています。この地で生まれ育つ製品には、日本の精巧さと、繊細な技術が息づいています。
柏崎亮は元革靴職人という経歴をもつデザイナーです。Hender Schemeは現在では革製品を広く取り扱うブランドですが、靴づくりからスタートしています。
バッグや名刺入れなどの革小物も幅広く展開しており、いずれの製品も革の風合いを最大限に活かし、日常生活に溶け込むようなデザインが特徴です。
「ジェンダーを超える」を表現
Hender Schemeは「ジェンダーを超える」というコンセプトで製品を作り続けています。一般的にデザインは、社会的なジェンダーで分けられていることが多くあります。しかし、Hender Schemeは性別にとらわれない自由なデザインを掲げ、ユニバーサルで普遍的な美を追求しています。
さらに、ブランド名自体がコンセプトを表現しています。心理学用語である”Gender Schema”（ジェンダースキーマ）から派生した造語であり、Genderの頭文字である”G”を、アルファベット順で1つ超えた”H”に変えることで、ジェンダーを越えることを表現しています。
そして、コンセプトは製品のラインナップにも反映されています。すべてのデザインにおいて男女共のサイズを展開しており、性別に関係なく自由に選ぶことが可能です。Hender Schemeの製品は、あらゆる人々が自分自身を表現し、独自のスタイルを追求するためのツールであり、それが「ジェンダーを超える」というコンセプトを具現化しています。
「スキマ」をオープン
Hender Schemeが2016年に旗艦店「スキマ」を東京の恵比寿に開店しました。旗艦店の場所は、アートと工芸の融合を象徴するような自動車部品工場があった跡地が選ばれています。
「スキマ」は東京の合羽橋や渋谷の宮下公園、さらには大阪というような日本各地に店舗を展開しています。それぞれの店舗は、地域の文化と風景に溶け込みつつ、Hender Scheme独自の洗練された雰囲気と品質を発信しています。
Hender Schemeはコレクションにも特徴があり、2021年の冬春シーズンから独自のシーズンタームである「冬春」・「夏秋」によるコレクションをスタートさせました。これには、「シューズを中心に季節のくくりなく、レザープロダクトを展開するエンダースキーマのモノづくりにとって、春夏と秋冬という縛りは必ずしも必要ではない」と判断したと発表されています。
高度な職人技がひかる革靴
Hender Schemeは革の風合いと共に、職人の技術の素晴らしさを感じられるアイテムが豊富です。それぞれの部位のスペシャリスト達が技術を結集させて1つの靴を作り上げています。そして、革ならではの経年変化を楽しめるのもポイントです。 ここでは、Hender Schemeのアイテムの革の特長や職人技についてチェックしていきます。
浅草の靴職人
Hender Schemeは、一足の靴が最初から最後まで一人の職人によって仕上げられるという、一般的な「靴職人」のイメージを覆します。Hender Schemeでは靴を製造する際、分業制が採用されています。すなわち、全てを1人の職人の手で製造するのではなく、街の職人と役割を分担し、それぞれが特化した分野で製造を行うという方法をとっています。
そして、その全体を統括するのは、学生時代から靴作りに精通するデザイナーの柏崎氏です。彼の視点と技術があってこそ、個々の職人がそれぞれの領域で最高のパフォーマンスを発揮し、一つの製品へとまとまるのです。
この仕組みによって、Hender Schemeの靴はその精密さと高い品質で知られるようになりました。浅草の職人が持つ熟練した技術と情熱が結集され、ブランドの持つ独自の世界観を体現した靴が生まれています。
経年変化が楽しめる
Hender Schemeの製品は、経年変化を楽しめることが特徴です。ブランドがすべてのアイテムにレザー素材を採用しているだけでなく、使用するレザーは製品により異なるため、独特な雰囲気が楽しめます。牛や豚など様々な種類が用いられ、なめし加工が施されることもあります。製品によって異なる経年変化が味わえるのもHender Schemeの魅力です。
Hender Schemeの中でも代表的な革であるヌメ革は、数ある革の中でも最も「革らしい」雰囲気を持つことから「革の中の革」とも称されます。
さらに、Hender Schemeでは、製品作りに余った部分の革を活用した小物類も製造しています。これらのアイテムは無駄を出さないために作られるのではなく、生活を豊かにすることを目的として生み出されます。ロスを削減しながらも、価値のある製品を提供しているのです。
独自のサイズ表記
Hender Schemeはジェンダーを越えるというコンセプトを採用し、全てのアイテムでメンズとレディースの両方のサイズ展開を行っています。
靴のサイズ表記も一風変わっており、「アウトソールの釘の数」で表しています。Hender Schemeの靴のサイズ感を知りたい方は、下記の表をご参考ください。
| サイズ | cm |
|---|---|
| サイズ1 | 23～23.5cm |
| サイズ2 | 24～24.cm |
| サイズ3 | 25～25.5cm |
| サイズ4 | 26～26.5cm |
| サイズ5 | 27～27.5cm |
| サイズ6 | 28～28.5cm |
| サイズ7 | 29～29.5cm |
オマージュラインとは？
Hender Schemeが注目を浴びるきっかけとなった「manual industrial products（mip）」は、オマージュラインとして知られるシリーズです。ブランドの特徴的な製品として多くのファッショニスタに愛されています。このラインはデビューから2シーズン目にリリースされ、その独特なアプローチは大きな話題を呼びました。
mipシリーズは、人気スニーカーブランドのアイコニックなデザインを、ブランドの象徴であるヌメ革で表現します。ここにはNIKEやadidas、New Balance、VANS、Dr.Martensなど、世界的に有名なブランドのスニーカーデザインがベースとして採用されています。
しかし、ただ模倣するのではなく、Hender Scheme独自の素材感や製法を駆使してオリジナルに再解釈することで、まったく新たな価値観を提示します。その結果生み出される革新的な靴は、時間とともに変化し、所有者だけの特別な表情を見せてくれます。
オマージュライン誕生のきっかけ
「頭の中にある既存のイメージをつかって遊ぶ」という試みから「mip」が誕生しました。日常的に見慣れているスニーカーや大量生産のシューズを、革靴として職人の手で再現することに挑戦しました。このプロジェクトは、大量生産品の有する普遍的なデザイン性を尊重しつつ、職人による一点物として生まれ変わらせるという試みです。
柏崎氏はインタビューで以下のように回答しています。
“「職人さんの技術や個性を伝えるにはどうしたらいいのかと考えていたときに思いついたアイディアなんです。誰もが一目でわかるスニーカーという「工業製品」をあえてモチーフにして、職人さんの「手工業」で作る靴として提示することで、作り手の技術や味がわかりやすく表現できるんじゃないかと。」”
見慣れた形状のスニーカーが、本革を使った手作りの靴として新たに生まれ変わることで、その製品が持つ魅力や手作りならではの品質を改めて感じることができます。
始まりは名作バッシュのオマージュから
mipの起源は、名作バッシュのオマージュから始まりました。このラインの誕生を牽引したのは、2011年春夏シーズンに発売されたファーストモデル「manual industrial products 01」でした。
このモデルは、ハイテクな雰囲気を高精度で再現するため、職人たちとの長い試行錯誤の末に誕生しました。柏崎氏の精緻なデザインは、様々な種類のレザーを巧みに組み合わせることでパーツごとの色味やテクスチャーの違いを引き立てました。
そして、この成功を受けてmipラインは毎シーズン1型ずつ増えていき、現在では20型を越えるモデルが存在します。さまざまなスニーカーのデザインを手工業の精度と革の質感で表現し、それぞれのモデルにHender Scheme独自の解釈を加えています。
「mipシリーズ」人気5選
【mip-02】
Hender Schemeのオマージュライン「manual industrial products」からご紹介する今回のモデルは、「mip-02」です。このモデルは、スポーツシューズの名作デザインに敬意を表しつつ、Hender Scheme独自の解釈を加えたアイテムです。誰もがわかるような有名シューズをオマージュしているため、非常にインパクトの強いアイテムです。
ソールやシューレース、金具部分も全てヌメ革で作られており、革の独特の風合いとスポーツシューズのコントラストが魅力的。使い込むほどにレザーが風合いを増し、色深くなっていきます。経年変化も楽しめるため、履いていくほどにオリジナリティが表れてくるのもポイントです。
【mip-09】
左右のデザインが異なる先鋭的なフォルムは、見た瞬間にどのスニーカーのオマージュか分かる方も多いでしょう。1984年にリリースされたあのハイテクスニーカーをヌメ革で再現しているのがmip-09です。
ヌメ革だけではなく、革のブラックも製造されており、どちらも人気があるアイテムです。革靴のため、ソール交換をしながら長く付き合っていくのも楽しいシューズです。
【mip-21】
mip-21はDr. Martens社との公式コラボアイテムです。キルト、ヒール部分、シューレースのレザーは、ヌメ革が使われており、味わいを増すレザーの経年変化が楽しめます。どんなコーディネートにも合わせやすいのが嬉しいポイントです。
Dr. Martensのアイテムじゃ中国やタイなどで製造されているため、Dr. Martensとしては初めてのMade in Japan製となります。
【mip-22】
大人気ユニーカーをオマージュし、シリーズの第22弾として登場したモデルです。革靴はスニーカーとは全く作り方の異なるアイテムですが、元のモデルを忠実に再現しています。
アッパー部分にベジタブルタンニンで鞣されたカウレザーが使われており、ライニングやソールも同じくレザーを用いているため、一貫した品質とデザインが表現されています。アッパーとインソール両方にレザーが採用されており、履き続けるうちに革が自然と柔らかくなり、履き心地を向上させています。
【mip-28】
多層的なアッパーが特長的なmip-28も有名スニーカーをオマージュしたモデルです。特徴的なのはレザーソールのベンズとEVA素材を巧みに交互に積み重ねている点です。安定性を保つためのスタビライザーも組み込まれており、靴全体のバランスを維持する役割を果たしています。特に、靴のアッパー部分の層状の切り替えが目立つようなデザインとバランスのとれたソールデザインにも注目です。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございました。モードスケープでは、Hender Schemeのアイテムのお買取りを強化しております。Hender Schemeは革の風合いを楽しめるブランドです。経年変化を楽しめる革は時間をかけて自分だけのアイテムを作り上げていくことができるため、長い期間楽しむことができます。今回はオマージュコレクションのシューズを紹介しましたが、オリジナル・コラボシューズも逸品です。また、バッグや財布などの革小物、革雑貨も人気があるため、ぜひチェックしてみてください。
モードスケープでは、アイテムの価値を適正に反映し、最高額を見出す査定をいたします。Hender Schemeのアイテムを売りに出すか迷っている場合にも、ぜひモードスケープにご相談下さい。クリーニングやお直しが必要なものでも可能な限り良いお値段をおつけできるように吟味しながらお買取りしております。汚れやダメージがあるものでも、リペアを施して販売することも可能です。とりあえず値段だけ聞いて検討したいという場合は、LINE査定などで査定額を見積もることも可能です。お気軽にご相談ください。
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Hender Schemeの買取について
この記事を書いた人
MODESCAPE
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