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更新日:2020年9月19日 公開日:2016年9月5日

ラグストファッション 2016年はラグジュアリーストリートファッションをマスターしよう。

2014年、ラグジュアリーストリート(ラグスト)というムーブメントが巷を席巻しました。「ラグジュアリー」と「ストリート」。一見して相反する2つの言葉をあわせたファッションは、世界的に流行。2016年現在も、ファッショニスタを熱狂させ続けています。今回は、そんなラグストの特徴や代表的ブランドなどに迫ります。

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ラグジュアリーストリートとは

キーワードは「レタリング」、「オーバーサイズ」、「モノトーン」。

ラグストの最大の特徴は、文字通り、ラグジュアリーなハイブランドと、ストリート色の強いブランドやアイテムをスマートに組み合わせている点。また、ハイブランドとの組み合わせに用いられるストリートっぽいブランドを指して、「ラグジュアリーストリート系のブランド」、などと言われます。

ラグストブランドのアイテムの特徴を端的に言うと、モノトーンのパーカーやスキニーパンツなど、シンプルなアイテムにレタリングなどの加工を施している点。また、独特のサイズ感にもこだわりが見られ、オーバーサイズのトップスに細身のパンツを合わせた、メリハリのあるシルエットが定番となっています。

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出典:http://justins-closet.tumblr.com/post/137103520063

パーカーにスキニーパンツといった、アイテムだけを見れば平凡なコーデのジャスティン・ビーバー。ですが、印象的なストライプの入ったオーバーサイズ気味のパーカーは、ラグストブランドの代表格であるOFF-WHITE(オフホワイト)のもの。インナーのカットソーを裾でレイヤードさせて抜け感を出していることで、洗練された印象を受けます。全体をブラックでまとめて都会的に仕上げている点もポイント。

これが、ラグジュアリーストリートの最もわかりやすいサンプルの一つです。

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キーマンはカリスマアーティスト達

ファッション界はカニエの一挙手一投足に釘付け。

ラグストを語る上で外せないのは、KANYE WEST(カニエ・ウエスト)に代表される、海外のアーティストやセレブリティ達。ジャンルの代表的ブランドとも言えるオフホワイトは、カニエのクリエイティブ・ディレクターとして知られる、Virgil Abloh(ヴァージル・アブロー)がデザインしています。ヴァージルとカニエは2012年、youtubeにあるミュージックビデオをアップしました。

出典:https://www.youtube.com/watch?v=UTCeG6WunLE

ビデオで出演者が着用するアイテムは話題を呼び、パリの有力セレクトショップ、Colette(コレット)のディレクターは、「ビデオの中の服は買えるの?」と二人に問い合わせたほど。二人はこの反響に応じる形で、ビデオのタイトルを冠したPYREX VISION(パイレックスヴィジョン)というブランドを立ち上げた後の2014年、パイレックスのデザインを踏襲したオフホワイトをデビューさせるのです。

「ハイブランドとストリートブランドをゴチャゴチャに合わせる」

カニエは、オフホワイトの立ち上げに関するインタビューなどで、「自分の周りには常に、ハイブランドとストリートウェアの組み合わせみたいなゴチャゴチャのコーデを楽しむヤツらがいた」と語り、ラグジュアリーとストリート系の融合は必然だったと示唆しました。

そんなカニエにシンパシーを表明するかのように、新たなカリスマたちが脚光を浴び始めます。

・A$AP Rocky(エイサップ・ロッキー)

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出典:http://fashioncore-midwest.com/nagoya_men/2014/drkshdw_at_midwest/

エイサップはハーレム出身のラッパー。2013年にメジャーデビューを果たすと、デビューアルバムで全米1位を獲得。瞬く間にスターダムを駆け上がりました。まだ27歳の彼は、音楽性のみならずその類まれなファッションセンスでも注目を集めます。

従来のラッパーといえば、ゴテゴテの輝くアクセに上下ともオーバーサイズの服、NEW ERA(ニューエラ)のキャップといった、“bling bling”なファッションが定番だったの対し、エイサップはRick Owens(リックオウエンス)やSaint Laurent Paris(サンローランパリ)などの高級ブランドを好み、尚且つトレンドを汲んだラグストブランドのアイテムも見事に着こなします。そのセンスはビッグメゾンにも認められ、今季はDior Homme(ディオールオム) のイメージモデルも務めています。

画像では、DRKSHDW(ダークシャドウ)のセットアップにナイキのJORDAN(ジョーダン)を合わせて、まさにラグスト、と言ったコーデを体現しています。

・Justin Bieber(ジャスティン・ビーバー)

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出典: http://menscereb.blog.fc2.com/blog-entry-130.html?sp

新世代のキング・オブ・ポップとも言える彼。カニエやエイサップらのようなHip hopアーティストとは毛色が違うものの、世界中のティーンが彼の着用するアイテムの情報を渇望しています。

ジャスティンは最初に挙げた写真で着ているオフホワイトのほか、Fear of God(フィアオブゴッド)や424 On Fair Fax(フォートゥフォーオンフェアファックス)などを中心としたラグジュアリーストリートブランドにぞっこんのご様子。一方でこの写真では、サンローランパリのテディジャケットを着用しております。ストリート系のアイテムと相性の良いテディジャケットというチョイスに、彼一流のセンスが光ります。

このように、カニエの他にも世界を席巻するカリスマアーティスト達が、ラグジュアリーストリートブランドとビッグメゾンの融合というコーディネートを実践しているようです。

ラグストの代表的ブランド

ムーブメントの牽引役は、“スラッシー”。

オフホワイトの登場以降、ラグジュアリーストリート系のブランドは増加傾向にあります。その仕掛け人は“スラッシー”と呼ばれる、様々な肩書を持つデザイナー達。

彼らはファッションだけでなく、カルチャーやスポーツ、音楽など多方面にアンテナを傾けています。ファッションデザイナーであると同時に、グラフィックデザイナー、フォトグラファー、音楽プロデューサーなどといった活動を並行し、その影響をファッションに反映させています。そのミクスチャーなセンスが、ラグストの源泉となっているのかもしれません。

MARCELO BURLON COUNTY OF MILAN(マルセロ・ブロン カウンティ・オブ・ミラン)

マルセロ・ブロンは、アルゼンチン出身のデザイナー。ミラノを拠点に活動し、2014年のピッティ・ウォモで初のランウェイを開催しました。ランウェイでは、モトクロスバイクのエアパフォーマンスを披露し、観客の度肝を抜きました。ピッティというラグジュアリーの巣窟のような舞台で、バイクというストリート色の強い演出。これぞラグストの真骨頂といったところでしょうか。

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出典 :http://www.vogue.co.jp/collection/brand/

これまでは鳥や蛇など、ド派手な動物のプリントを全面にあしらったスウェットなどが象徴的なアイテムでしたが、こちらはこのブランドにしては控えめな印象。スポーティな素材のショーツに、リックオウエンスやKRIS VAN ASSCHE(クリスヴァンアッシュ)などでも見られるゴツめのスニーカー、そしてアイコニックなプリントを施したハイソックスの合わせは、よりストリートを意識した雰囲気です。

VETEMENTS(ヴェトモン)

デザイナーは、かつてマルタン・マルジェラのレディスデザインを担当していた、ジョージア(グルジア)出身のデムナ・ヴァザリア。2015年からはバレンシアガのデザイナーに就任しています。ロンTやパーカーを極端とも言えるビッグサイズで作ったり、変わったカッティングの再構築デニムパンツを仕立てたり、ベーシックな服に大胆なアレンジを施したアイテムが特徴です。

また、マルジェラという高級メゾン出身でありながら、パロディプリントやグラフィティ調のロゴをデザインに取り入れるなど、強いストリート志向が伺えます。

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出典:https://www.instagram.com/p/BC2Va9QB5Zy/

二人のトップスは共にヴェトモン。ゆったりしたシルエットですが、右は特に目立ち度の高いタイタニックのパロディプリントに負けないほど、袖の長さが目を引きます。リュックやハイテクスニーカーなどがよくマッチしていて、ストリートアイテムとの相性は一目瞭然です。

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Fear of God(フィアオブゴッド)

「デザイン学校に通ったこともなければ、デザイナーと一緒に働いたこともない」。こう言い放つのは、フィアオブゴッドのデザイナー、ジェリー・ロレンゾ。ロサンゼルスのこのブランドは、そんなロレンゾのインスピレーションによってのみ、生み出されます。

学生時代にギャップやディーゼルでアルバイトをしていたロレンゾは、販売員として働きながら、人々は何を求めていて、マーケットには何が足りないのかを学んだそう。そんな経験と、“自分自身が着たい”という気持ち、彼の中のヒーローが実践していたファッションをミックスして作られるのがフィアオブゴッド。ロレンゾにとって、カート・コバーンやアレン・アイバーソンといった、ストリートのスターもアイディアのソースなのです。

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出典:http://porhomme.com/

特徴的なプリントやロゴはありませんが、チェックシャツと裾に特徴のあるパーカーをレイヤードし、クラッシュ加工を施した細身のデニムといったアイテムで、上半身をゆったり、下半身をコンパクトに仕上げる王道のラグストスタイルを体現しています。ともすればだらしない格好すれすれですが、サイズ感やレイヤードでスマートに見せる。ロレンゾが好むグランジの影響が垣間見える、ストリートといっても、また一味違うアプローチです。

ほかにも、

パリのPIGALLE(ピガール)はエイサップも愛用。

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出典:https://www.vfiles.com/media/84771

NYのHBA(フッドバイエアー)はG-DRAGON(BIGBANG)などのK-POPアイドルがこぞって着ていました。

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出典:http://www.thefashionlaw.com/home/pfw-front-row-fixture-g-dragon

まだ日本に正規取扱店のない、LAの424onfairfax(フォートゥフォーオンフェアファックス)は、3代目J Soul Brothersの岩ちゃんこと岩田剛典が私服で着用していることで話題となっています。

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出典:https://ins.koip.net/ins/1171588127601902954_1699984528

久々のビッグウェーブに湧くファッションヴィクティムたち

東京での話に限定するなら、’90年代後半~’00年頃に裏原系ストリートファッションが社会現象になるほど流行って以降、あれほど過熱したファッションのムーブメントはありませんでした。

当時、裏原ファッションに欠かせないAIR MAX(エアマックス)シリーズはプレミア価格が付き、“エアマックス狩り”が横行。SMAPのキムタクこと木村拓哉が、ドラマHEROで着用したA BATHING APE(ア ベイシング エイプ)のダウンジャケットは、オークションで何十万円ものプレミア価格が付きました。他にもキムタクが着用したNUMBER (N)INE(ナンバーナイン)やHysteric Glamour(ヒステリックグラマー)などのアイテムは“キム着”と呼ばれ、高額なプレ値で取引されていました。

異常とも言えるこの現象は、’00年代後半に入る頃にはパッタリ鳴りを潜めます。

’05年頃流行った、モード系ブランドの影響を受けて独自の進化を遂げたお兄系ファッション、’10年ごろの武骨で男らしさを強調したルード系ファッション、12年頃から現在まで支持されている、ベーシックアイテムに偏重したノームコア、ミニマルファッションなどの裏原ブーム後に台頭したトレンドは、裏原には遠く及ばない、小さな波でした。それらを振り返ると、現在のラグストブームは、裏原ブームを彷彿とさせます。

90年代に異常な人気を誇り、ラグスト好きにも指示されるSupreme(シュプリーム)の立ち上げには徹夜組が復活。日本のショップで取り扱いの少ないラグストブランドのアイテムは、今のファッショニスタには欠かせないツールであるバイマやメルカリなどの普及もあって定価以上で取り引きされています。定価3~4万円ほどの、カニエとadidas(アディダス)がコラボしたハイテクシューズ、YEEZY BOOST(イージーブースト)シリーズは30万円以上でも買い手がくほどです。かつて裏原で何十万円、何百万円とお金をつぎ込んだファッションヴィクティムたちは、30年足らずの年月を経て、再びストリートに帰ってきたのです(もちろん人の入れ替りはあるでしょうが…)。

過熱の一途を辿るラグジュアリーストリートブランドの台頭に、ファッション界では揺るぎない地位を誇っていたビッグメゾンも、目を背けるわけにはいかない様子。元々デザイナーがユースカルチャーに精通しているラフシモンズはラグストブランドの登場以降、その影響を感じさせるコレクションを展開するほどです。

発売日に完売するブランドや、オークションで定価以上で取引されるアイテムも多く、マーケットの動きが緩やかになった今のファッションシーンでは、久々のビッグウェーブと言えます。

かつての裏原ブームのようにパッタリと収束するのか、それともさらなる発展や進化を遂げ、トレンドであり続けるのか、ラグジュアリーストリートの勢いから目が離せません。

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