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遊びでカルチャーを体現する、WACKO MARIA(ワコマリア)

2018年5月15日

画像出典:https://www.instagram.com/

 

2010年前後だろうか。ルード系。というファッションジャンルが台頭した。

『ルード/rude』とは、直訳すると無礼とか無作法とか言った意味で、転じて不良とかワル、みたいなニュアンスで使われる。

つまりルード系とは、不良っぽい、ワルっぽいファッションのことである。

武骨なファッションとか言われることもある。無骨ではない。武骨だ。辞書などでは異字同訓として扱われているが、絶対に武骨だ。なんだ無骨って。骨が無いではないか。骨無し男にルード系が似合うものか。

 

まあそれはいいとして、ワコマリアはルード系が流行る少し前にデビューしたブランドであることもあって、このジャンルを牽引するブランドのように見られることもあった。

 

ルード系のブームから10年近くがたった今、一体いくつのブランドが残っているだろうか。

残っていたとしても、いまだに人気ブランドとしての地位を保っているブランドは数えるほど。

ちなみに、RUDEという、ジャンルに特化したファッション誌があったが、昨年休刊となってしまった。個人的には好きだったのだが。

 

その中でワコマリアは、2018年の今でも好調な大手セレクトショップで取り扱いがあり、新シーズンのピースのうちいくつかのアイテムは完売するし、中古市場での再販売価格も高値。これらを鑑みるに、人気ブランドと言って差し支えないと思う。

2015年には、初の旗艦店『PARADISE TOKYO(天国東京)』をオープンしている。

 

そういう外的な評価を抜きにしても、筆者はかっこいいブランドだと感じる。

 

では、何故ワコマリアが生き残ることができたのか。

 

個人的には、極めて抽象的な表現で恐縮だが、ワコマリアの放つ『ホンモノっぽさ』がブランドを生かしたのではないかと考える。

 

WACKO MARIAの根幹を成す、音楽というルーツ

KILLER TUNES BROARD CAST @visiontokyo #killertunesbroadcast #wackomaria #guiltyparties

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ワコマリアのブランドサイトには、音楽をベースに、映画やアートなどの影響を受けつつクリーションをしている旨が記載されている。

これはつまり、ミュージシャンのステージ衣装や日常着、それから映画の登場人物のファッションなどといった、昔から男たちがお手本としてきたスターや世界観を参考に服作りをしているということだと思う。

 

デザイナーやその周辺の人物が信奉するカルチャーを何らかの形でデザインに反映するということは、ファッションブランドにはよくあることだ。

ワコマリアの服からは、レゲェスカロックステディといった音楽の影響を感じ取れる。

 

異色の経歴を持つ、創業者の二人

ブランドを創設したのは、森敦彦石塚啓次という二人の男。

これは有名な話だが、二人はともに元プロサッカー選手。Jリーグ創成期の有力な選手同士で、現役時代から目立っていた。

森は当時からレゲェ好きとして知られ、ドレッドヘアやバンダナ姿で試合に出ることもしばしば。一部のサポーターからレゲェ君と呼ばれ、1994年には、自身の名を冠したレゲェのコンピレーションアルバムを出したほど。

 

一方の石塚にしても、長身細身のアスリートらしからぬ体型で高校時代から女性ファンを魅了。プロ入り後も、ロールスロイスに乗ったり、インタビューで、休日は彼女と代官山で遊んだりスケボーをしたりしていると語るなど、二人ともどことなく『遊びの匂い』をまとう異端児といった風情を漂わせていた。

 

二人とも早くに現役引退しているのは、プロでサッカーを続けていくというところにフォーカスし切れなかったのからなのかはわからないが、少なくとも、サッカーを辞めてセカンドライフとしてアパレル業を始めようと考えたのでなく、元々の趣味を表現した結果としてブランドを始めたということが想像できる。

 

ちなみに森がワコマリアの人気を支え続ける一方、石塚は2012年にブランドを離れ、スペインはバルセロナにてうどん店『宵宵祇園』をオープン。また、うどん店を営む傍ら、ブランド『BUENA VISTA (ブエナヴィスタ)』を発表。その他にもサッカー留学をサポートする会社を運営し、後進の育成の手助けをするなど、その活動は多岐にわたる。

 

「酒」、「女」、「音楽」、「ハット」

ブランド設立当初にコンセプトとして掲げていたのが、「酒」、「女」、「音楽」、「ハット」。

いかにも遊び人の二人らしい切り口だ。

 

The Specials(スペシャルズ)のA MESSAGE TO YOU RUDY(ア メッセージ トゥ ユー ルーディー)などのユルい音楽の流れる暗いパブで、キューバリブレでも片手に、いい女を口説いている。その男の身につけるジャケットやシャツ、パナマハットには、『GUILTY PARTIES』或いは『天国東京』のロゴ。

 

 

ちょっと嫌味なぐらいカッコつけたシーンに、ワコマリアの服はよく似合う。

 

ちなみに、スペシャルズのア メッセージ トゥ ユー ルーディーという曲。(カバー曲ながら)スカの代表的な名曲であるが、このルーディー(ルーディーズ/ルードボーイ)とはルード系の元ネタで、ルード系ファッションとは、つまりルーディーズが実践していたファッションを参考にした系統だ。

 

元々は、ルーディーズはジャマイカ発祥のカルチャー。

ルーディーズはジャマイカの貧困層の若者の内、ギャング映画を真似てブラックのスーツやハットで身なりを整えて犯罪行為をしたり、スカなどの音楽に耽溺する者たち。1960~70年代にイギリスに伝播し、スカやその派生音楽のロックステディやレゲェを演奏したり、その音楽のファンが同じ様な服装で集まるなど独自に発展。イギリスでも移民の黒人や貧困層の若者がルーディーズの主たる構成員だった。『Quadrophenia-さらば-青春の光-』で有名なロッカーズモッズなどが台頭した少し後の時代、ルーディーズもロンドンのクラブやストリートに遊び、犯罪や喧嘩もした。

ロッカーズがワッペンの付いたライダースやデニムを着たり、モッズがM-51フィールドパーカーやタイトスーツでヴェスパに乗るのと同じように、ステレオタイプなルーディーズは、テーラードジャケットやフレッドペリーのシャツ、スラックスなどを着て、ポークパイハットかぶり、自分達のアイデンティティとした。

 

かくしてホンモノのルーディーズだけが生き残った

 

ルード系という言葉は2018年の今、めっきり聞かなくなった。そして、ルード系に大別されたブランドも、一部を除いてあまり中古市場で見なくなった。もしくは高値がつかなくなった。(※中古市場の動向は、中古で売買されるほど需要があるということで、ブランドやジャンルの人気の尺度として十分一つ目安になると思う)

 

いつの時代もそうだが、あるジャンルが流行っても5年もすれば入れ替わりが起き始める。そしてついには、そのジャンルで生き残るのは僅かなブランドのみ。

今はリバイバルしたストリートウェアが全盛期だが、最初のブームのときに売れたシュプリームやエイプ以外の多くのブランドはカムバックしなかった。(※ブームが成熟してからニッチ狙い的な意味で復刻したブランドなどはカウントしない)またストリートウェアブームが落ち着いたら、リバイバルで生まれたブランドはいくつ生き残っているだろうか。

 

スケートショップをルーツに始まったシュプリームや、遊びの中から生まれたエイプは、いわばカルチャーが生んだブランドだが、それらをフォローしただけのブランドは軒並み潰れ去った。

 

 

GUILTY PARTIES #paradisetokyo #wackomaria #guiltyparties #天国東京

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そういう意味では、二人の遊び好きの若者が立ち上げた、彼らの好きな遊びを表現するワコマリアは、二人の好きなカルチャーが生んだブランドと言えるだろう。

だから、ワコマリアは生き残ったし、今後もかっこいいブランドであり続けるはず。

ワコマリアはルード“系”ではない。現代のルーディーズのような男たちが作り、支えるブランドなのだ。

カルチャーから生まれたということが、ブランドを『ホンモノ』たらしめると、筆者は思う。

 

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MODESCAPE

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