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バレンシアガの新クリエイティブディレクター:ピエールパオロ・ピッチョーリのキャリア

ヴァレンティノ

バレンシアガの新クリエイティブディレクター:ピエールパオロ・ピッチョーリのキャリア

ピエールパオロ・ピッチョーリは、静かな詩情と確かな技術で現代のクチュールに新たな息吹をもたらしてきたイタリア人デザイナーです。長年にわたりヴァレンティノのクリエイティブディレクターとしてブランドを牽引し、伝統と革新を織り交ぜたコレクションを数多く手がけてきました。2025年にはバレンシアガの新たなクリエイティブディレクターに就任することが発表され、再び注目が集まっています。この記事では、ピッチョーリのキャリアやデザインの特徴、代表作について解説していきます。

ピエールパオロ ピッチョーリとは

ピエールパオロ・ピッチョーリ
出典 fr.fashionnetwork.com

子どもの頃は映画監督を目指していたピエールパオロ・ピッチョーリ。物語を作ることへの憧れが、やがてファッションの世界に向かいはじめます。文学や芸術から学んだ感性を生かし、これまでに多くの魅力的なデザインを生み出してきました。ここでは、そんなピッチョーリ氏の生い立ちやデザイナーとしてのはじまりを紹介していきます。

生い立ちとバックグラウンド

1967年、ピエールパオロ・ピッチョーリはイタリアのネトゥーノという海辺の街に生まれました。幼い頃から映画の世界に強く惹かれ、映画監督になることを夢見て育ちます。しかし、やがてファッションが持つメッセージ性や表現力に魅了され、ファッションデザイナーの道を選びます。

高校卒業後は、ローマのヨーロッパ・デザイン学院(IEDローマ校)でファッションを本格的に学び始めました。アトリエでは熱心に作品制作に打ち込み、デザインの基礎と創造の喜びを身につけていきます。学びを重ねたのち、インターンを経験し、イタリアの高級カシミヤブランドBrunello Cucinelliでも実務を積みました。

1990年、 Fendiのアクセサリーチームに加わり、本格的なキャリアをスタートさせます。ここで、現在のピッチョーリ氏のデザインの特徴「クラシック×モダン」の基礎が築かれます。ピッチョーリ氏は、イタリアが誇る職人技に敬意を払いつつも、従来の枠にとらわれない新しいアプローチを探っていきました。


デザインの特徴

ヴァレンティノのクリエイティブディレクターとして16年間、数々のアイコニックなアイテムを生み出してきたピエールパオロ・ピッチョーリ。数々のファッショニスタがピッチョーリ氏のデザインに魅力されてきました。デザインの特徴は、「クラシックとモダンの調和」・「洗練された色使い」・「芸術性と詩情のある表現」の3つがポイントです。ひとつずつチェックしていきましょう。

クラシックとモダンの調和

ピエールパオロ・ピッチョーリのデザインの核にあるのは、クチュール技術。流れるようなドレーピングや繊細な刺繍といった職人の技を大切にしながら、クラシックな美しさを現代の感性で新たに解釈しています。イタリアが誇る高度なクラフトマンシップを尊重しつつも、固定観念にとらわれず常に新しいアプローチを模索する姿勢は、ピッチョーリ氏がプロフェッショナルとして長年大切にしてきた信条でもあります。

ピッチョーリ氏の手にかかると、伝統的な技法は過去の再現ではなく、今を生きる人々のためのリアルな服へと昇華します。クラシカルな要素に斬新なシルエットや鮮やかな色彩を掛け合わせ、モダンな感覚とエレガンスが自然に溶け合う世界観を生み出しています。過去と現在をつなぎながら、常に時代の先を見据えるそのバランス感覚こそが、ピッチョーリ氏のデザインの大きな魅力です。

洗練された色使い

ピエールパオロ・ピッチョーリのデザインにおいて、色彩は単なる装飾ではなく、感情や世界観を表現する重要な要素となっています。ピッチョーリ氏の手がけるコレクションには、深みのある色合いや、あえて色数を絞り込んだワントーンのスタイリングが数多く登場します。その代表例として語られるのが、2022年秋冬に発表された「PP Pink」コレクションです。

この「PP Pink」は、ピッチョーリ自身が開発した鮮烈なフューシャピンク一色で全ルックを統一し、色そのものが持つエネルギーを最大限に引き出しました。鮮やかでありながらも洗練された色調は、ハッピーにするもの全てをひとつの色で表現するという思いから製作されました。

鮮やかな色使いだけではなく、落ち着きのあるブルーをメインとしたコレクションやオールブラックのコレクションも手掛けています。ピッチョーリ氏はひとつひとつのカラーにコレクションの中での位置づけやメッセージをこめているのです。

芸術性と詩情のある表現

ピエールパオロ・ピッチョーリは、文学や美術、さらには宗教画など多様なアートに深く感銘を受け、そのエッセンスをファッションで表現しています。詩集やフレーズをプリントや刺繍として用いることがあり、ピッチョーリ氏は「詩を現代の共通言語にする試み」と語っています 。

例えば、詩人ムスタファ・ザ・ポエットの言葉を取り入れた2019年秋冬メンズ・コレクションでは、テキストとネオクラシカルな象徴が一体化し、見る者の内面に語りかけるような豊かな深みを生み出しました。

また、宗教的な絵画や彫刻からも色彩・構図・神聖さを学んでおり、とりわけローマに点在するカトリック絵画のイメージが服の佇まいに影響を与えています 。

コラボレーションも数多く、バレンシアガやヴァレンティノで展開したプロジェクトでは、グラフィカルなアーティストとも共鳴し、2次元作品を3次元へと立体的に翻訳しています 。VOGUEとの対談では「アートとファッションの融合は、業界にとっての共同体を形づくる」 と語っており、服をキャンバスとして共作する手法はまさにピッチョーリ氏の芸術的ビジョンの本質といえるでしょう。


デザイナーとしてのキャリア

インターンや実務経験を重ねながらファッションの世界で歩み始めたピエールパオロ・ピッチョーリ。フェンディでのアクセサリーデザインを皮切りに、ヴァレンティノで大きな飛躍を遂げ、そして現在はバレンシアガの新たな挑戦に注目が集まっています。ここでは、そのキャリアの歩みを振り返っていきましょう。

1990〜1998:Fendi(アクセサリー部門)

ピエールパオロ・ピッチョーリの本格的なキャリアは1990年、フェンディのアクセサリー部門に加わったことで幕を開けます。ここでピッチョーリ氏は、後に長年のパートナーとなるマリア・グラツィア・キウリと出会い、共にバッグラインのクリエイションに携わりました。当時のフェンディは、バッグを単なる実用品ではなくラグジュアリーアイテムへとアップデートさせる段階にあり、二人の斬新なアイデアとクラフトマンシップへの敬意が高く評価されます。フェンディでの経験は、クチュール的な感性と実用性を兼ね備えたアクセサリーデザインの礎となり、後の成功へと繋がっていきました。

1999〜2024:Valentino

1999年、ピッチョーリはマリア・グラツィア・キウリと共にヴァレンティノへ招かれ、アクセサリー部門の立ち上げを任されます。2008年1月のコレクションをもって45年間をヴァレンティノを牽引してきた創業者のバレンティノ・ガラヴァーニ氏が引退すると、二人揃って共同クリエイティブディレクターに就任します。ブランドの核であるエレガンスを守りながらも、現代の女性像に寄り添うフェミニンでロマンティックなスタイルを確立し、高い評価を得ます。

2016年からはピッチョーリが単独でクリエイティブディレクターを務め、ヴァレンティノの世界観をさらに深化させました。スタッズを施した「Rockstud」はアイコニックなヒットとなり、ブランドの新たな象徴として定着します。

そして、2020年秋、アメリカで開催される世界最大級のファッションアワード「CFDAアウォード」において、アメリカ国外のデザイナーに贈られる「インターナショナル・ウィメンズウェア・デザイナー・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。この受賞により、世界最高峰のウィメンズデザイナーとしてその実力が改めて認められました。

さらに、2022年秋冬にはブランド独自のピンク「Pink PP」を打ち出し、色彩による大胆な表現力を世界に示します。こうした革新を重ねながら、約25年にわたりヴァレンティノの顔として活躍し続け、2024年3月に退任を迎えました。

2025年7月〜:Balenciaga

ピッチョーリの次なる舞台は、2025年に発表されます。ケリング・グループは同年5月、ピッチョーリ氏がバレンシアガの新クリエイティブディレクターに就任することを正式に発表しました。7月10日に着任し、初のコレクションは2025年10月に公開予定となっています。

今回の新体制で特に注目されているのが、ピッチョーリが長年磨き上げてきたオートクチュールの技と、バレンシアガのDNAである構築的なシルエットとの融合です。歴史あるブランドのアーカイブに現代的な詩情と技巧を重ねることで、どのような新たな世界を描き出すのか、世界中から注目されています。

代表的デザイン

ピエールパオロ・ピッチョーリは、これまで数多くのアイコニックなデザインを生み出してきました。クラシックな美しさに現代的な感性を加えたアイテムは、世界中のファッショニスタたちを魅了し続けています。ここでは、そんなピッチョーリ氏が手がけた代表的なコレクションを紹介していきます。

Rockstud アクセサリー(2010〜)

Rockstud-アクセサリー

2010年に誕生した「Rockstud」は、ピエールパオロ・ピッチョーリが手がけたヴァレンティノを象徴するコレクションのひとつです。バッグやパンプスに施されたピラミッド型のスタッズは、これまでのエレガントなイメージにモダンでシャープなエッジを加え、ブランドの印象を大きく刷新。洗練されたデザインに反抗的なスパイスが加わったこのシリーズは、瞬く間に世界中のファッショニスタを虜にし、ヴァレンティノの売上を大きく牽引する存在となります。

創業者が築き上げたクチュールの美学を受け継ぎつつ、ピッチョーリは時代に合わせた新しいスタイルを提案。クラシックとモダン、フェミニンさとフェティッシュさといった相反する要素を見事に調和させています。2021年にはスタッズを大型化した「Roman Stud」、さらに翌年にはひとつの大きなスタッズを配した「One Stud」も登場し、コレクションの幅はさらに広がりました。

Pink PP コレクション(FW22)

Pink-PP-コレクション
出典 fashion-press.net

ピエールパオロ・ピッチョーリの色彩表現を象徴するのが、2022年秋冬コレクションで発表された「Pink PP」です。ランウェイの会場全体からモデルの衣装、小物に至るまでフューシャピンク一色で統一され、その鮮烈なビジュアルは世界中の注目を集めました。このピンクは、ピッチョーリがPantone社と共同で開発した特別な色で、〈Pink PP〉として正式に制定されています。

単なる派手さではなく、色そのものを通じて感情や存在感を語ることを狙ったこのコレクションは、バレンティノの美学を再定義する挑戦でもありました。さらに、この鮮烈なピンクが「バービーコア」と呼ばれるトレンドを加速させ、Y2Kリバイバルの流れとも重なりながら、ファッションシーンに大きなインパクトを残しました。ピッチョーリの色彩に対する独自の哲学が凝縮されたコレクションです。

Roman Stud コレクション(SS21〜)

Roman-Stud-コレクション

2021年春夏コレクションから登場した「Roman Stud」は、ピエールパオロ・ピッチョーリが手がけるRockstudの進化版ともいえるシリーズです。従来の小ぶりなスタッズとは異なり、より大ぶりで立体的なピラミッド型スタッズが配されたデザインが特徴となっています。この拡大されたモチーフは、クラシカルなローマ建築や古代ローマの美意識を彷彿とさせ、ヴァレンティノの歴史と現代性をさらに深く結びつける役割を果たしています。

Roman Studは登場直後からバッグ、シューズ、アクセサリーへと幅広く展開され、クラフツマンシップが光るディテールと存在感のあるビジュアルで多くのファッショニスタを魅了しました。特にそのユニセックスなデザインは、ジェンダーレスなファッション需要とも共鳴し、年齢や性別を問わず支持を拡大。今ではブランドの定番ラインのひとつとして定着しています。

まとめ

最後までご覧いただきありがとうございます。

ピエールパオロ・ピッチョーリは、ヴァレンティノにおいてクチュールの伝統を守りながら、独自の美学を確立し、数々の名作を世に送り出してきました。そして2025年、ピッチョーリ氏は新たな挑戦の場としてバレンシアガへと舞台を移します。構築的なシルエットが特徴のバレンシアガにおいて、ヴァレンティノで確立した詩的ロマンティシズムをどう再解釈するか、世界中から大きな期待が寄せられています。

モードスケープでは、ピエールパオロ・ピッチョーリが手がけたヴァレンティノのアイテムをはじめ、買取を強化中です。定番の「Rockstud」シリーズなどの人気アイテムは高価買取の対象となっております。もしお手元のアイテムの査定をご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

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