使いやすく美しい、上質な普段着を提案するmarkaの魅力とは
2003年に誕生した〈marka〉は、“素材づくりから国内で完結させる”という信念を大切にしながら、ものづくりを続けてきました。ミリタリーやワークウェアの実用性をもとに、現代的に再構築されたウエアは、日常に馴染む上質なアイテムとして多くの支持を得ています。この記事では、ブランドの特徴やデザイナー・石川俊介氏の理念とともに、派生ブランドついても詳しく解説します。
markaとは?
日常に溶け込む、洗練されたカジュアルスタイルを確かな技術と誠実な姿勢で提案し続けている「marka(マーカ)」。2003年に日本で誕生したこのブランドは、「メイド・イン・ジャパン」のこだわりを軸に、伝統と現代性を融合させた服作りを行っています。
ここでは、ブランドの成り立ちと世界観、デザイナー・石川俊介氏の人物像を通じて、markaがなぜ多くの人に支持され続けているのか、その理由を丁寧にご紹介します。
ブランド概要
2003年、デザイナーの石川俊介によって立ち上げられた「marka」は、日本生まれのメンズファッションブランドです。ブランド名は「karma(カルマ)」という言葉の文字を並び替えたものに、しるしを意味する「mark」とアルファベットの最初の文字である「a」を組み合わせて名付けられました。
markaは、日常のなかで自然に着られる都会的なカジュアルスタイルを得意としています。「日本製」にこだわり、素材選びから縫い方、仕上げに至るまで、すべて国内の工場で丁寧に作られています。シンプルで無駄のないデザインと、体にきれいに馴染む形は、多くのファッショニスタから支持されています。
ブランドの沿革と世界観
markaは、2003年に石川氏によって設立されました。前身のブランドではレディースアイテムからスタートしましたが、ブランド名をmarkaに変更してからは、メンズ中心に切り替わり、現在はmarkaと、その上位ラインであるMARKAWAREの2つのラインで展開されています。
markaの特徴は、シンプルでスマートなデザインにあります。見た目の派手さよりも、毎日着られる気軽さと、どこか凛とした雰囲気を両立させたスタイルを大切にしています。そして、服づくりにおいては「メイド・イン・ジャパン」に強いこだわりを持ち、素材の選び方から縫製、加工まで、すべて日本国内で丁寧に仕上げています。
ブランド立ち上げ当初から石川氏が大切にしていたのは、「他と同じことをしないこと」。誰もやっていないような服を生み出そうと試行錯誤する中で、それに価値を見出してくれるお店や人々が少しずつ増えていき、ブランドとしての流れが次第に形になっていったとインタビューで答えています。
markaの背景には、日本の繊維業を守り、次の世代につなげていきたいという強い思いがあります。その姿勢は服の品質だけでなく、どのように、どこで、誰が作ったのかを伝える「透明性」のあるものづくりにも表れています。日本から世界へ、誠実な服づくりを発信し続けているブランドです。
デザイナー 石川俊介
出典 pen-online.jp
石川氏は、学生時代に古着やスニーカーの買い付けをしながら、実践的な感覚を身につけるなど、ファッションに強い関心を持っていました。ナイキのエアジョーダンやラルフローレンのポロシャツなど、当時人気のアイテムを求めて地方のスポーツ店を回り、見つけたデッドストックを東京や神戸のショップに持ち込むなど、ファッションが好きなだけではなく、精力的に活動していました。
大学3年の時に、石川氏はアメリカへ留学。東海岸の都市を回り、さまざまなファッションアイテムを買い付けていました。自分の店を持つことを目標としながらも、いったん就職することを決め、コンサルティング会社でマーケティングを学びます。
会社を辞めてからは、markaの前身となるブランドを立ち上げ、デザインの知識とスキルを身に着けていきました。ファッション業界の流れがわかり始め、業界の中で評価を得ていきます。
ブランドを立ち上げてからは、「日本製」へのこだわりを大切にしつつ、サステナブルな素材を積極的に採用。その背景には、原料がどのような場所で、どのように作られているのかを知るため、自ら世界各地の産地を訪ね歩くという姿勢があります。さらに、そうした服づくりの背景や素材選びのストーリーやファッションの教養をまとめた動画は、YouTubeで発信されており、ファッションに関心のある人たちだけでなく、幅広い層の視聴者の共感を集めています。
サステナブル素材の探求、現地に足を運ぶ誠実な姿勢、そして情報を広く届ける発信力。石川氏は、時代の価値観としっかり向き合いながら、服作りに向き合うクリエイターといえるでしょう。
markaを象徴する4つの特徴
markaが多くの人に愛される理由は、そのデザインや品質の高さだけではありません。ブランドには、長年の経験に裏打ちされた独自のこだわりと哲学が存在します。
ここでは、markaの魅力を支える4つの柱である「実用服の現代的再解釈」「素材選定と“Made in Japan”」「加工技術」「サステナブルへの取り組み」についてご紹介します。
実用服の現代的再解釈
markaの魅力のひとつに、ミリタリージャケットなどの「実用服の現代的再解釈」というアプローチがあります。クラシックなミリタリーアイテムやワークウェアなど、本来は過酷な環境での機能性を重視して作られた実用服。その無骨な魅力を尊重しつつ、現代のライフスタイルに寄り添うよう、デザインやシルエットに洗練されたアレンジを加えています。
例えば、肩まわりの動きやすさを活かしながら、全体のラインはすっきりと仕上げ、日常使いにも違和感のないスタイルに昇華。素材には光沢や落ち感のあるファブリックを用いることで、野暮ったさを感じさせず、上品な印象すら与えます。こうした再解釈の視点は、ただの復刻にとどまらず、現代に求められる快適さやスマートさを融合させ、新しい価値を生み出します。クラシックとモダンの間に独自のバランスを見出し、着る人の個性を引き立てる、それがmarkaの実用服への向き合い方です。
素材選定と“Made in Japan”
ブランドの柱のひとつに、「素材選定と“Made in Japan”」があります。石川氏は素材ハンターと呼ばれるほど素材にこだわりのあるデザイナーです。
markaは製品づくりの出発点として、オーガニックコットンや再生ナイロン、希少なウールなど、環境負荷の少ない高品質な素材を選定。そうした素材の特性を最大限に活かすため、生地開発から縫製、仕上げに至るまでの全工程を、日本国内の工場と連携しながら一貫して行っています。この姿勢には、日本のものづくりに対する深い敬意と、繊維産業の持続的発展への強い思いが込められています。
また、タグや展示会資料では素材の原産地や工場名を明記し、製造背景の透明性にもこだわっています。サステナビリティやトレーサビリティが重視される今の時代において、markaは単なるファッションではなく、語れる服としての魅力を持っています。
加工技術
「加工技術」への並々ならぬこだわりもmarkaを語るうえで外せないポイント。代表的なのがガーメントダイと呼ばれる後染め技法や、繊細なウォッシュ加工。いずれも、製品が完成してから染色や洗いの工程を加えることで、着込むほどに味わいを増す経年変化をあらかじめ計算し、設計されたものです。表面の色落ちや質感の変化が自然に見えるよう、使用する染料や洗いの時間、乾燥方法にまで徹底的にこだわっています。
そのため、まるで長年愛用してきたかのような、柔らかな風合いや身体に馴染む着心地を初めから感じられるのが特徴です。これらの加工はすべて、日本国内の熟練工場で行われており、高度な技術力に支えられたmarkaならではの仕上がりを実現しています。単なる新品にとどまらない、奥行きのある表情を持った一着。それがmarkaの加工技術の真骨頂です。
サステナブルへの取り組み
markaが重視する価値観のひとつが、「サステナブルへの取り組み」です。環境や社会に配慮したものづくりを志向する中で、同ブランドは残反(生地の端材)や再生素材を積極的に活用し、廃棄物の削減と資源の有効利用に努めています。また、動物由来の素材においても、動物福祉に配慮した調達を行うなど、倫理的な視点からの素材選びを徹底しています。
こうした姿勢は見えにくい部分ではありますが、製品に付けられたタグやYouTubeなどでの情報発信を通じて、透明性を持ってユーザーに届けられています。さらに、生産背景に関する情報も積極的に開示し、消費者が安心して手に取れる製品づくりを心がけている点も特徴的です。markaの服は、単に着飾るためのものではなく、社会や環境と向き合いながら生まれた意志のある一着。そんな哲学が、ブランド全体に浸透しています。
派生ライン/姉妹レーベル
markaの世界観は、ひとつのブランドにとどまらず、複数の派生ラインを通じて広がりを見せています。それぞれのレーベルは、共通して「誠実な服づくり」と「サステナビリティ」を根幹に据えながら、異なる切り口でファッションの可能性を追求しています。
ここでは、それぞれのレーベルが持つ個性と魅力についてご紹介します。
MARKAWARE
出典 fashion-press.net
MARKAWAREは、2009年にmarkaから派生するかたちでスタートしたメンズブランドで、「大人のための洗練されたハイエンドガーメント」をコンセプトに掲げています。最大の特徴は、原料の調達から製品完成までを一貫して追跡可能にする「Farm to Closet」という理念に基づいたものづくり。オーガニックコットンやウールといった天然素材を厳選し、栽培や飼育の段階から環境や労働条件に配慮したルートで調達しています。
また、テーラード技術をベースにしながら、機能素材や快適性を意識したディテールを加えることで、クラシックと現代性を絶妙に融合。日常着でありながら、高い完成度と持続可能性を併せ持つスタイルが、MARKAWAREの真髄です。デザインの根底には、着る人の生活と環境の未来を考えた誠実な視点が息づいており、長く愛用できる一着として多くの支持を集めています。
TEXT
出典 highsnobiety.jp
TEXTは、2018年にスタートしたmarkaの姉妹レーベルで、「Farm to Closet」の思想をより深く体現する実験的なラインとして位置づけられています。素材の選定から仕立てまで、すべての工程においてトレーサビリティを確保し、生産者や環境への配慮を最優先とした服づくりを行っているのが特徴です。
特に注目すべきは、黒毛アルパカやカシミヤなど、一般的なファッションブランドではあまり使用されない希少素材を採用している点です。これにより、独自の手触りや温かみのある表情を持つアイテムが生まれ、他にない個性を放っています。
また、見た目の華やかさよりも素材の本質的な魅力を引き出すことを重視しており、デザインも極めてミニマルで静かな存在感を持っています。TEXTは、服を着ることの意味や背景に目を向けるきっかけを与えてくれる、知的で持続可能な選択肢といえます。
CASH
出典 mastered.jp
CASHは、2023年秋冬シーズンから独立した形で本格始動した、marka発のカシミヤ専業プロジェクトです。「日常に行き届くラグジュアリー」をコンセプトに掲げ、特別な日のためではなく、あくまでも日常に寄り添う上質なカシミヤアイテムを提案しています。
これまでMARKAWAREやTEXTで培われてきたサステナブルな素材選定や高度な縫製技術をベースに、CASHでは特にカシミヤの柔らかさと温かさを最大限に活かした、タイムレスでスタイリッシュなプロダクトを展開。華美な装飾は控えつつ、シルエットやディテールに微細な工夫を施すことで、着る人の佇まいに自然な品を与えるデザインに仕上げられています。
また、生産背景にもこだわり、信頼のおける国内外の専門工場との協業により、高品質と透明性を両立。CASHは、ラグジュアリーの再定義を図るような、静かな存在感を放つブランドです。
markaの中古市場・買取相場
リユース市場においてもmarkaは非常に価値の高いブランドです。その理由と、中古市場での傾向について解説します。
markaのアイテムは、中古市場において安定した人気と高いリセールバリューを誇ります。その最大の理由は、デザインの普遍性と品質の高さにあります。トレンドに左右されにくいミリタリーやワークを基盤としているため、数年前に購入したアイテムでも古さを感じさせません。また、”Made in Japan”に裏打ちされた堅牢な作りは、中古品であっても良好なコンディションを保っているものが多く、次のオーナーへと価値を繋ぎやすいのです。
もしクローゼットに眠っているmarkaのアイテムがあれば、それは価値ある資産かもしれません。一過性のデザインではないからこそ、その価値は時を経ても色褪せにくいのです。
まとめ
最後までご覧いただきありがとうございます。
markaは、日本国内の高度な技術と素材へのこだわりを軸に、クラシックな実用服を現代的に再解釈することで、時代に寄り添うリアルなスタイルを提案し続けています。サステナビリティやトレーサビリティといった価値観を実直に追求しながら、確かな信頼と共感を集める存在へと成長してきました。流行に流されないデザインと誠実なものづくり。そんな哲学がmarkaを唯一無二のブランドへと導いています。今後の展開にも、ぜひご注目ください。
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この記事を書いた人

MODESCAPE
ブランド服専門の買取店モードスケープです。トレンドから過去の名作まで、ワクワクするブランドアイテムを販売・買取しています。ファッションに関する様々な記事・コラムを配信しています。