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世界的なデザイナーとして躍進するsacai「阿部千登勢」の人物像とは?

2023年12月27日

世界的なデザイナーとして躍進するsacai「阿部千登勢」の人物像とは?

世界的なデザイナーとして躍進するsacai「阿部千登勢」の人物像とは?

ドッキングアイテムや異素材との組み合わせが特徴的な日本発のブランド「sacai」。自身のブランドを立ち上げたデザイナーにはCOMME des GARCONS出身が多くいますが、sacaiのデザイナー「阿部千登勢」もその一人です。
そんなsacaiを牽引している阿部千登勢は、世界中で注目を浴びていますが、どのような人物像なのでしょうか? この記事では経歴やsacaiについて触れていきながら、世界的なデザイナーへと躍進を続けている阿部千登勢の人物像に迫ります!

阿部千登勢の経歴

日本を代表するモードブランドCOMME des GARCONSをルーツに持ち、今もなお新しい視点から洋服をデザインする阿部千登勢氏。そんな彼女が幼少期にファッションとどう向き合っていたのか、そしてデザイナーを志したきっかけとは何だったのかを紐解いていきます。

阿部千登勢
出典 pen-online.com

「三宅一生」への憧れ

1965年、岐阜県生まれ。母親が服の仕立て屋を手掛けていたことで、阿部千登勢氏にとってファッションはとても身近なものに感じられていました。小さい頃から母親の仕事場であるブティックを手伝っていたり、仕立て作業の見学をしていたことで、彼女の才能は幼少期から培われていきます。

また父親が研究者だったということもあり、父親譲りの熱心な探究心と母親譲りの手先の器用さ・繊細さが受け継がれ「sacai」という唯一無二なブランドが誕生したのです。

デザイナーを志したきっかけは小学5年生のころにテレビで見た三宅一生氏でした。ISSEY MIYAKEの世界観に魅了された阿部千登勢氏は彼のようなデザイナーになりたいと、夢を持ちます。

今もなお世界中で愛されるブランドISSEY MIYAKEを徹底解説した記事はこちらのリンクからご覧いただけます。

また、この頃から周りの友達と同じような服を着ることに嫌悪感を覚え始め、母親にベルボトムをスリムシルエットに変えてもらうなどファッションに対して、自身のこだわりを発揮。 高校生の時にはCOMME des GARCONSに別ブランドの洋服を縫い合わせるといった、再構築的な発想でファッションに没頭します。

高校卒業後は服飾系の専門学校へ。様々な有名デザイナーを輩出する「文化服装学院」を希望していたのですが両親の反対もあり、岐阜県から近い「名古屋ファッション専門学校」へ進学。卒業後は大手アパレルメーカー「WORLD」へ入社し、1987年から約2年間そこでアパレルの基礎を学びました。

COMME des GARCONSへ

WORLDを退社後はCOMME des GARCONSへ、1989年に入社。当時の風潮としては大手アパレルメーカーで数年キャリアを積み、のちに自身のブランドを立ち上げるという考え方が一般的だったと言います。ですが阿部千登勢氏にとってCOMME des GARCONSは強い憧れの存在だったため大手キャリアを手放し、ニットウェアのパタンナーとして働き始めます。

デザイナーズブランドでの働き方は大衆に向けた大手アパレルメーカーとは違い、「オリジナルであること」を求められました。そのために、他のブランドには持っていないアイディアや柔軟でクリエイティブな発想を必要としていました。幼い頃や学生時代から周りとは違うオリジナリティーを持っていた彼女にとって、COMME des GARCONSはそのセンスにより磨きをかける最高の場所でした。

当時ブランド内では川久保怜氏以外のデザイナーが新たなラインを発足させるという変革期でもありました。それが渡辺淳弥氏がデザイナーを務める「JUNYA WATANABE COMME des GARCONS」。 1992年にスタートしたその新ラインの立ち上げに、阿部千登勢氏は参加しました。

そこで出会ったのが同じく立ち上げに携わっていた阿部潤一氏。2人は1996年に結婚。翌年に彼女は出産と育児のためにCOMME des GARCONS退社を決意します。

阿部千登勢氏を始め、名だたるデザイナーを輩出し、国内だけでなく世界中のデザイナーにも影響を与える、川久保怜氏率いるCOMME des GARCONSの解説記事は下記からご覧いただけます。

デザイナー夫婦

ここで阿部千登勢氏の旦那である阿部潤一氏について掘り下げていきましょう。文化服装学院出身。ファッションの基礎をそこで学び、同校の卒業生である山本耀司氏の「Y’s」で経験を積み重ねます。

その後はCOMME des GARCONSに入社。ウィメンズラインである「tricot COMME des GARCONS」(現tao)でパタンナーを務めます。1年後の1992年に「JUNYA WATANABE COMME des GARCONS」がスタート。そこで出会った阿部千登勢氏とともに渡辺淳弥氏をサポートする形で活躍していきます。

1994年に独立。文化服装学院の同級生であった森田晃功氏、渡辺拓氏、曽我氏らと共に「M-A-W-S Design Productions」を立ち上げます。メンバーの頭文字を取って名付けられたプロダクションで、各々が有名ブランド出身の経歴を持つ少数精鋭の体制で運営していました。ブランド「PPCM」をスタートさせ、新しい素材使いとカジュアルなスタイルのコレクションがファッショニスタの注目を集めます。

日本のみならず、1999年FWでは海外での展示会も開催。またコレクションではメンバーそれぞれの特化したスキルをいかすため、個々でデザインしたものをPPCMブランドの元でリリースするというスタイルを取っていました。その後、2004年にPPCMが解散したことをきっかけにそれぞれがブランドを発表します。

そこで阿部潤一氏が始めたのが「kolor」。高級感がありながらもコージーでカジュアルなテイストが特徴のブランド。彼が得意とする斬新な素材使いには定評があり、海外からもとても人気があります。


「sacai」について

現在ではレディース・メンズそしてユニセックスラインまで展開をしているsacaiですが、ブランドが始まるきっかけになったのは、たった数型のニットウェアからでした。sacaiの歴史を深掘りしていきます。

sacai

sacaiのはじまり

1999年にブランドがスタート。「日常の延長線上に成り立つデザイン」をコンセプトにしており、洋服としてかかせない機能性はもちろん、面白味のあるデザイン性も重視しています。

COMME des GARCONS退社後、専業主婦として育児に専念していた阿部千登勢氏。幼少期から夢だったデザイナーを辞め、アパレル業界から身を引いたその当時は後悔が無かったものの、どこか寂しさを感じていたといいます。そしてデザイナーとして活動していた夫に対し、少し不平等さを覚えていました。

そんな中、夫からブランド立ち上げを勧められたことをきっかけにニットを3型制作。育児生活で感じた、日常で機能的な服のディテールや自身が欲しいと思えるものを形にしました。行われた初めての展示会はとても小規模で、自宅にて開催。規模とは裏腹に注文が殺到し、その3型を見たバイヤーからのリクエストでさらに2型が追加され、計5型がsacaiにおけるファーストコレクションになります。

瞬く間にブランドは成長を遂げ、2005年FWシーズンではニューヨークで展示会。そして2011年FWではパリでコレクションを発表しています。海外での評価も高く、毎シーズン異なるデザイナーを招聘するゲストデザイナー制をとった「JEAN PAUL GAULTIER」では阿部千登勢氏が初回に選抜されています。またアーティストとして有名なのはもちろん、並行してLOUIS VUITTONのクリエイティブ・ディレクターを務める「ファレル・ウィリアムス」とも親交が深いことで有名です。

ちなみにブランド名であるsacaiは彼女の旧姓(坂井)から取ったもの。夫である阿部潤一氏のブランドの綴りはkolor。見比べるとお互いの「c」と「k」を入れ替えて名付けられていることが分かります。

服作りへのこだわり

服作りへのこだわり

数型だったファーストコレクションですら、彼女のこだわりが詰まったアイテムになりました。sacaiの特徴は独特な異素材を組み合わせた洋服や秀逸な素材使いが挙げられます。オリジナルとしか言いようのない、他ブランドでは見られないような斬新なシルエットやデザインは、COMME des GARCONSイズムが根底にあるからだと言えます。

ニットウェアからスタートしたブランドなので、やはりニットはsacaiを象徴するアイテムです。柔らかなニットに別素材の布帛をミックスしたり、編み方を変えることで従来のイメージとは異なる雰囲気を演出。工夫を凝らしたそのデザインはまさに唯一無二です。

「ハイブリッド」と呼ぶに相応しい組み合わせもsacaiらしさがあります。それは素材のことだけを指すのでなく、異なったカテゴリーの服を組み合わせるといったデザイン。普遍的な胸ポケット付きロングスリーブTの袖先に、シャツのカフス部分を縫い合わせる遊びの効いたパターンは秀逸です。オックスフォードシャツの裾部分にドローコードをドッキングされた、通称「ドローコードシャツ」も斬新な発想。ブルゾンによく見られるギミックがシャツに施されています。

レディースアイテムでよく見られるのがプリーツやタックがアクセントとなるウェア。ワンポイントとしてのデザインが優秀というだけでなく、サイドやバックから見た時に美しく見える計算されたシルエットは好バランスを演出してくれます。

またリリースされた製品に毛玉がすぐできてしまうものがあると、すぐに自費で回収するという徹底した品質管理は有名な話。物作りに対するこだわりの高さが伺えます。

展開ラインとコラボレーション

sacaiがスタートしてから7年後、2006年3月に「sacai gem」が新たなラインとして展開しました。宝石・原石と訳すことのできるgemは「特別なもの」という意味合いを込めて命名。当初は「10 corso como comme des garcons」と「dover street market」のみで取り扱っていた限定販売でした。

同年9月にはエレガントな大人に向けたホームウェアとランジェリーラインの「sacai luck」もスタート。2010年SSコレクションからはよりメインラインに寄せたコレクションを発表。従来よりも安価な価格設定だったため若い世代からも人気を集めました。ですが2015年にラインの休止を発表。阿部千登勢氏いわく「メインラインのsacaiとluckを分ける必要がなくなったため」。

sacaiのメンズラインは2009年SSから始まります。レディースアイテム同様に異素材が組み合わされた斬新なデザインが登場。また2019年FWからは性別の垣根を超えたユニセックスラインも始まっています。

sacaiといえば有名ブランドとのコラボレーションも魅力。高級ダウンジャケットの代名詞「MONCLER」とはデザイナーズブランドとのコラボライン「MONCLER S」を発表しています。このコレクションは2009年から2012年まで続きました。

老舗スポーツブランド「NIKE」とコラボしたスニーカーは爆発的な人気を獲得。NIKEのアイコンであるスウォッシュとシュータンを2つに重ねた特徴的なディテールは、sacaiらしさを感じられるデザインになっています。

sacaiのコラボアイテムですが、実はファッションブランドだけでなく音楽機器メーカーや陶器メーカーともタッグを組んでいます。意外なコラボアイテムは下記の記事からチェックすることができます。

sacai出身デザイナー

sacaiではのちに、個々がブランドを立ち上げるほどの実力を持つデザイナーを輩出しています。パタンナーとして長年経験を積み重ね独立した、sacai出身のデザイナー4人をご紹介します。

高橋伸明氏

阿部潤一氏と同じく文化服装学院出身。卒業後はDIORやCHANELなどの大手メゾンが会員として在籍しているオートクチュール協会が経営する、サンディカ・パリクチュールへ進学するため渡仏。その後パリや日本で経験を重ね、sacaiのメンズ部門チーフパタンナーブランドマネージャーを約6年間務めます。2023年SSに自身のイニシャルから取った「NTN」をスタート。

玉田達也氏

コシノジュンコや高田賢三、山本耀司など著名なデザイナーを過去に輩出している装苑賞を2012年に受賞。2015年からメンズのパタンナーを6年務めたあと、自身のブランド「Tamme」をローンチ。ブランド名の由来は「Homme」と「Femme」に自分の名前を組み合わせた造語となっており、主にミリタリーテイストにモダンで現代的なものを掛け合わせたウェアが特徴です。

諸橋和之氏

10年に渡りsacaiのニット・カットソー部門で経験を積んだのち、2023年SSから「MIDERI」をスタートさせました。しっかりとsacaiイズムが継承されており、ブランドの核となるのはニットウェア。新たな可能性と価値観をコンセプトにし、ニットでの新感覚な表現に挑戦しています。編み方次第でカジュアルからきれいめまでアプローチできる、ユニークなアイテムたちがリリースされています。

中神一栄氏

バンタンデザイン研究所・パターン科を卒業。パタンナーとして3年働いたあと語学留学のためイギリスへ。帰国してから2年間営業職を経験したあと、sacaiへ入社します。意外な経歴を持つ彼は2007年から2010年までパタンナーを務め、2013年SSには自身のブランド「Wei」を立ち上げます。現在Weiでは「JANTJE_ONTEMBAAR」とのコラボアイテムのみをリリース。そして2つ目の新ブランドとして2019年SSに「NAKAGAMI」もスタートさせています。


まとめ

最後までお読みいただきありがとうございました。阿部千登勢氏が幼少期から培ったファッションセンスとCOMME des GARCONSでのデザイナー経験は、斬新かつオリジナリティー溢れるsacaiのアイテムに大きく影響しています。たった数型のファーストコレクションから始まったブランド。こだわりのある服作りを続けた結果、現在では世界中から注目を集めるブランドへと飛躍を遂げています。今後もリリースされるアイテムが楽しみです!

また、モードスケープでは、sacaiのアイテムのお買取りを強化しております。
買い換えのタイミングやサイズの変化によって合わなくなることなどもあるかと思います。そんな時に、モードスケープにご相談していただければ全力でお力になります。
古いモデルやクリーニングやお直しが必要なものでも可能な限り良いお値段をおつけできるように吟味しながらお買取りしております。汚れやダメージがあるものでも、リペアを施して販売することも可能ですので一度ご相談ください。とりあえず値段だけ聞いて検討したいという場合は、LINE査定などで査定額を見積もることも可能です。お気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

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